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東一局零本場「嚆矢」

 賽の出目は7、レミリアから順に紅 美鈴の城牌から開門していく。

 ドラは五になった。


レミリアの一巡目

 三⑤⑥⑦⑧⑨5677西白R中


(起家では連荘して、周りとの差を広げるのがいいのかしら。美鈴も咲夜も、初めは字牌を切った方がいいって言ってたから四択かしら取り敢えず)


 レミリアの第一打は R


十六夜 咲夜の一巡目

 四あか六①①②⑤⑨12東南西

ツモ 西


(ドラドラ面子は正直有難いわ。最終系が厳しいところね、最速ドラドラリーチを狙うのが無難かしらダブ東鳴かれたら後手を引かなければならなくなるし、ここは南切りかしら)

 打 南


紅 美鈴の一巡目

 一二三八九③④⑤⑧⑨223

ツモ 4


(配牌一向聴からダブリーにはならなかったけれど、良型の目が見えたのはいい感じですね。辺張の選択ですかね、ドラ跨ぎの七は当たり牌としては期待出来そうにないですかね。八、九落としが無難なところの筈、六、七と引いた時にドラを受け入れ辛くなるからここは九ですかね)

 打 九


「チー」

 パチュリーは七八を晒し、九を美鈴の河から自らの手の右端に置く。

 打 ①

(成る程、あれが美鈴が言っていた鳴きって奴ね。なんか空気が変わった気がするわ。カッコいいわね!)

(なんだか、お嬢様の顔が輝いてるわ。変な事を考えてそうな気がするけれど、それ以上にパチュリー様のあの鳴きはどう考えるべきかしら、手役が既に確定している早い仕掛け、若しくはドラ色の染め、早い高打点、役牌暗刻のチーテンかしら。それを踏まえても私の手配にダブドラがあるから混一色だったとしてもMax8,000点の筈)

(困りましたね。⑦引いてくれたら言う事はないんですけど、八が切れるか、北家進ませると親の手が進む確率も上がりますし、あか引いたら鉄リーなんですけど順目によりけりですかね、早いなら他家を抑え込む為ののみ手でもリーチって感じですかね、今のところ)


レミリア 二巡目

 三⑤⑥⑦⑧⑨5677西白中

ツモ⑦


(最初の方は字牌から)


 打中


十六夜咲夜 二巡目

 四あか六①①②⑤⑨12東西西

ツモ⑦

(いいツモってところだけど、北家は未だ聴牌じゃない筈、もし聴牌だとした場合、役牌が既に暗刻である可能性若しくは役牌バックの可能性だけど、後者は考えにくい、七八九の鳴きは役牌を誘える鳴きではないから、それなら東は北家には通る。南家の私は親を流す必要がある。北家は確実に手が早い、ダブ東を鳴かれたら、北家と親の対決になる事は必至、でもそれは私にとって都合の悪い事ではない。唯、ラス回避の一点に重点を置くのであれば)


 打 東


紅 美鈴 二巡目

 一二三八③④⑤⑧⑨2234

ツモ5


(ツいてない聴牌、⑧⑨落としかそのままリーチってところですけど早いリーチにはそんなに他家は日和らない況してや私は西家、ある程度なら放銃しても構わない、そう思われるかもしれない。そして、ツモも出上がりも期待できない待ち、どうしましょう。かと言って次いつ聴牌するかも分からない。仕方がない)


「立直」

 打 八


(ここは少しでも他家の手を遅くする抑え込み立直、出上がりもパチュリー様からならチャンタ系じゃない限り期待出来る)


「チー」

 パチュリーの晒しは六七

 そして、打 9


(立直に対して両面鳴き、しかもドラではない方普通なら聴牌優先の鳴きとも取れるが、早い九仕掛けに、立直に対しての押し、これはドラの五を対子以上持っている染め、これはキツい、ヌルい立直だった)

 この鳴きで美鈴は自身の立直に後悔する事になった。

(あの鳴きが妥当性の高い素直な鳴きだった場合、間違いなく満貫以上、そして、美鈴の立直も妥当なところだと5,200以上ってところかしら、正直ツモるならツモってて感じね)

 咲夜の役割が南家だが、前進ではなくなった瞬間だった。

(幾ら考えても分からないものは分からないわ。じゃあ、美鈴に教えられた通りやってやるわ)

 親のレミリアは存外暢気なものである。


 次の巡目、レミリアは手出し西

 咲夜も合わせ打つ。


(変なものを引きませんように)

 そう願う美鈴のツモは6、ツモれはしないが変なところではない。そして、他家のアガり牌でもなかった。


「ツモ」

 パチュリーの発声である。

一二三四五五五  鳴き 八六七 九七八

 ツモ 六 ドラ 五


「4,000/8,000」

清一色、一気通貫、ドラ3


「パチュリー様、そんなの反則ですよ」

 食いかかったのは美鈴だった。

「仕方ないわね、神様に愛されてたのが私だったって事ね」

「清一色ですか、混一色ドラドラとか、かと思ってました」

 咲夜が自分の推理を話す。

「まぁ、事故みたいなモノね」

「パチェ、そのアガり綺麗ね」

 レミリアが初めてみるアガりに食いつく。

「中々かっこいいでしょ」

 パチュリーはドヤ顔でそう言った。

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