視線 2
すみません。読みにくいかと思います。
もう少し文章をきったほうがいいんでしょうか。
そして、この話自体は実はルーズリーフ50枚くらいの話なんで
改稿しつつ進めてますが、かなり長くなりそうです。
話をどこで切るべきか 悩んでます。
ふっと目を開けると、心配そうにこちらを見ている瞳を見つけた。
誰だろう…そうぼんやりと考え、それがだれだかわかった瞬間、勢いよく頭のなかが現実に引き戻された。
「た、高原先輩、あたしどうしたんですか、ここ…」
勢いよく身体を起こそうとして、慌てた裕吾に肩を抑えられる。
「そんな勢いよく身体起こすな。倒れるぞ。…ここは保健室。いきなり倒れるからびっくりしたよ」
あきらめたようにベッドへ身体を沈める秋実に苦笑しつつ、まくれた布団をかけなおした。
秋実の記憶が確かなら、きっと倒れたのはグランドでのことだろう。
確かあの場には他に…
「先輩?秋実気づいたんですか?」
ベッドを囲うように引かれたカーテンの隙間から、加奈子が顔をのぞかせる。
「ああ、夏目は部活もどれよ。俺も先生が来たら戻るから」
「はあい、秋実はゆっくりっていっても時間あんまないけど、ちゃんと休みなよ」
確かにすでに放課後の部活の時間だ。下校時刻の関係もあるのだから、あまりゆっくりもしていられないだろう。
改めて自分の身体を意識してみるが、特に違和感を感じる部分もない。身体が重いとか、頭が痛いとかそんな症状もどこにも感じられない。
何で倒れたのか、さっぱりわからないくらいだ。
ただ、じんわりとした痛みを訴えてくるのは先ほどの左腕。こっそり布団から出して見てみると包帯が巻かれている。かすかに感じる湿布のにおい。
「ああ、すげーあざになってたから、一応先生が手当てしてた。ってかそれ相当痛かっただろ、大丈夫か?」
腕に視線を向けていることに気づいたらしい裕吾が苦笑しつつ、声をかける。
「そんなあざになってるから、たぶんないだろうけど、ボール頭当たってないよな?」
「腕で止めましたよ?ってか、あんな勢いのボール頭に当たったら、あの場で先輩と話してるどころじゃないですよ!」
腕に当たってもこの状態だ。頭に当たったら確実に脳震盪起こして倒れているだろう。ついでに言えばこんな保健室でのんびり話している状態なわけがない。
というか、おそらく病院へ行くとかそういったレベルの勢いのボールだったような気がする。
「てか、あたし見てなかったんですけど、バッティング練習だったんですか?試合形式?」
投げたボールがあんなところまであんな勢いよく飛んではこないだろうあたりをつける。
「フリーバッティング。なんかタイミングよく久々のホームランレベル」
せっかくのバッティングも被害者を出しては元も子もない。
まぁ、ぶつかったのが他の部活の生徒だったからこその問題で、これが野球部員がボーっとしていてぶつかったり、とり損ねてぶつかったのであれば、たいしたことじゃないだろう。
というか、怒られる話かもしれない。もちろん心配はされるだろうけれど…
頭が重い感じもないので、とりあえず祐吾にあらかじめ断りを入れて、身体を起こした。
やはり、違和感も何もなく……
ふっと視線を感じたような気がして、そちらに視線を向けた。
バタン!といきなりベッドへ逆戻りした秋実にぎょっとしたように身体をひいた。
「…って、おい、大丈夫か?」
慌てて声をかけるが、当の本人はガバッと布団を頭までかぶってしまっている。
気分が悪いとかそういった様子ではないように思えて、先ほどまで秋実が視線を向けていたであろう方へ自分も視線を向けた。
そして…
「お前、見えてるのか?」
ポツリと呟いた一言。
その言葉に秋実は頭から被っていた布団から、ちょこっとだけ顔を覗かせた。
祐吾の視線の先を追い、やはりビクっと頬を引きつらせた。
秋実と祐吾の視線の先には、一人の少年の姿があった。
問題は一つ。
後ろが透けて見えているということ。