イキウメっ☆
ガラガラゴロゴロ
荷馬車を引く音が街道に響く。
パタマも荷を積んである箱部分に荷物と一緒に運んでもらっている。
暇な時間には火薬と紙をいじって試行錯誤していた。
道中に何匹か魔物も出たが、都度パタマの爆竹により爆殺していた。
「パタマちゃん、案外強いんだね~!何の魔法だい?」
「魔法など使ってない!我は爆竹に愛されし者、パタマなり!」
「秘密かぁ~。仲良くなったら爆発の秘密、また教えてね。」
なんてことを話しながら進むこと、2日目の夕方。
サラサラサラ・・・
という音と共になぜか下に沈んでいく感覚になった。
「なんだこれは!パタマちゃん!魔物だ!アリジゴクだ!」
アリジゴクとは地盤を流砂に変え、動けなくしてから捕食する魔物だった。
パタマはとっさに爆竹を中心に投げた。
・・・が、アリジゴクは潜り、効果があったかどうかは分からなかった。
「なぬっ!無力!」
流砂に飲まれるのを誰も止めることが出来ず、パタマと馬車と商人は流砂の中に飲み込まれるのであった。
「ップハー!生きてる!」
「おぉ、なんという奇跡。。」
「ヒヒ―ン!」
2人と1匹は奇跡的に生きていた。
下を見ると砂山が出来ており、パタマの爆竹によりアリジゴクが息絶えていた。
上を見ると小さい穴が空いており、これもパタマの爆竹により穴が空いたもので、貫通したからみんな生存することが出来た。
辺りを見渡すと、そこは石造りのタイルが敷き詰められて宮殿の様に厳かな通路であった。
「右、左、どっち?」
夕方なこともあり、どっちを見てもすぐ奥が見えないほど暗い。
上の穴は結構高く届かないので戻るのは無理。
商人も判断できず困った顔をしていた。
「どっちでもいいけど、こんな時は!そーれ!刃の向いた方に進も!」
パタマは短刀を真上に投げた。
ピー――ンっ
短刀の刃が床に刺さった。
つまり。
「下だー!!!」
サクっ!シュボっ!
「避けて!」
ド―――ンっ!
即断即決でナイフを取り、火をつけ、床に爆竹を投げた。
すると下に人が通れるほどの穴が空いた。
光源があるのか、床が見える。
「れっつらごー!」
「ちょちょちょ!ちょっと待って!行って大丈夫なの!?」
「知らん!なんとかする!」
そう言ってパタマはぴょーんと飛び降り、床に着地した。
左手には重厚な扉があり、右手には玉座があった。
光源はたいまつの火であり、扉から玉座まで等間隔でたいまつを置く台座が設置されていた。
「おぬしは何者じゃ。」
玉座から声が聞こえてきた。
「我はパタマ!運に導かれここへ来た!」
「・・・おぬしの様な小娘が・・。運命は残酷よの。さて、切り抜けられるかな。」
玉座に座っている初老の人物が小声でつぶやいた。
「パタマよ!この間に来たからにはただで帰すわけにはいかぬ!実力を示せ!」
「面白くなってきた!おじいちゃんが相手?」
「おじい・・はぁ。おぬしの相手はこやつじゃ。」
ガチャン、ガチャン
全身鎧に剣と盾を構えた大きな騎士がパタマの前に現れた。
「さぁ!やれ!」
ビュン!
騎士の振る剣が空を斬る。
「え、はや!我、やばめ。。」
反射的にバックステップでかわすが実力差は大きいようだ。
お読みいただきありがとうございます。
戦闘開始!