セントウっ☆
~洞窟最奥部~
「ナオン!まだ息はあるか!」
「リョウ!ビグマン!来てはだめ!ここには・・・!」
ナオンの言葉はここのボスと思われるモンスターの足音でかき消された。
「こ、こいつは、、ゴブリンロードか!?なんでこんなとこに上位種がいるんだ!」
「おい、リョウ!俺らのレベルじゃ太刀打ちできねえぞ!なんか策は無えのか!」
「そんなもんない!でも、やるしかないだろ!ここでやらなきゃ全て手遅れになる!」
「そりゃそうだ・・!おい、小娘!お前ギルドに戻って応援を呼んできてくれ!全速力で頼む!」
「承った!」
パタマは踵を返して洞窟の出口へ走る。
「・・行くぞビグマン。帰ったらたらふく酒を飲もうぜ。」
「・・そうだなリョウ。絶対生きて帰るぞ・・!」
「「うおおぉぉぉぉっ!!!」」
ガキンっ!ごぉぉぉん!カーン!
壮絶な戦いの音が聞こえる。
が、ものの1分も経たずにその音は止んだ。
その瞬間パタマは再び踵を返し、洞窟最奥部へ向かう。
応援を呼んでも間に合わない、意味が無いと判断した。
「我が相手だ!その手をはなせい!」
ゴブリンロードはリョウとビグマンを握りつぶそうとしていたところだった。
2人とも既に意識は無い。
ナオンもショックで気絶している。
「ふっはっは!小娘が!お前程度に何が出来る!いいだろう!相手をしてやる!」
ポポイっとリョウとビグマンは放り投げられた。
「パタマ、参る!」
パタマは直線でゴブリンロードに向かっていく。
ゴブリンロードの射程距離に入ったところでパタマ5人分くらいの体積のこん棒が振り落とされた。
瞬間、パタマは直角に曲がり、壁の方へ進む。
「もっはっは!逃げ場などどこにもないぞ!」
パタマはなおも壁に向かい、壁に近づいたところで壁に沿うように走り、次第に壁を歩いた。
「ばっはっは!身体能力だけはあるようだな!だがそれがどうした!」
ゴブリンロードはその辺に転がっている石を全力で壁に向かって投げ付けてきた。
石が当たった壁には大きな穴があき、人間がくらったら即死だろう。
パタマは勢いを緩めず、高度を上げ天井へ到達した。
「蝶のように舞いっ!!!」
天井へ到達し、ゴブリンロードの上空斜め45度付近に到達したところでパタマは、飛ぶ!
そして爆竹をすべて取り出し、空中でバッと広げる。
「どっはっは!爆竹だとぉ!舐めているのか貴様ぁ!死ねぃ!」
ゴブリンロードは鷲掴む体制に入る。
パタマは空中で身体を旋回させ、ゴブリンロードの手を紙一重で避ける。
「蜂の様にっ、、、、」
瞬間、パタマの短刀が光り、ゴブリンロードの皮膚を回転切りして火花を起こす。
「バクサツっ!!!!!」
ッッッドドドゴゴゴォォォン!!!
パタマの全爆竹がゴブリンロードに命中する。
「なんだとぉっ・・・!こんな小娘にぃぃぃ!」
ドサッ、ゴブリンロードは消し炭になって倒れた。
すたっ!・・・キラリっ!
「およ?この綺麗な結晶、あの子のかな?」
パタマはそれと消し炭のゴブリンロードをカバンに入れた。
意外とめちゃくちゃ容量のあるカバンのようだ。
「っしゃ!一件落着!帰るべ!」
と、ここで気絶した冒険者たちを思い出し、また回復薬をかけてあげて、一緒にギルドへ帰った。
読んでいただきありがとうございます!
戦闘シーンアニメ化したいぃぃ!