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バクサツっ☆  作者: Salt
5/9

デアイっ☆


「シュタタタタタッ、我は風なり!」


パタマは村を出てひたすら街道を走っていた。

途中でちょうちょを見つけて脱線したり、1人鬼ごっこをしたり、ご飯を食べたり、寝たりしながらようやく1つめの街にたどり着いた。


~商業の街【オイン】~


大陸のほぼ中心にある街で大陸中の交易を担っており、欲しいものはここでほぼ全て手に入る。


「でっけー!・・我の器には敵わぬがなっ!」


パタマは初めての景色を楽しみながら散歩していると中央の噴水広場にたどり着いた。

その広場では老若男女が遊んだり、くつろいだりしている。

そこでパタマは不意に運命の出逢いを果たす。


バチッバチッ!


子供が遊んでいたのは「爆竹」である。

ここオインでは最近子供たちの間で爆竹遊びが流行っていたのだ。


「なにあれ・・・?ドキドキする・・」


パタマは一目惚れした。

そこからパタマは爆竹の入手が目的になった。


「へい店長!これ全部くれ!」


「おお!嬢ちゃん!景気がいいな!10万ルードになるが金はあるのかい?」


「ない!けど欲しい!だめ?」


「だめに決まってんだろ!稼いで出直してきな!」


ちーん..

パタマの冒険は終了した..かと思えたその時、1枚のチラシが飛んできた。


『30分以内に完食すれば賞金10万ルード!』


パタマは反射よりも早くその店に向かって走り出した。


〜〜〜〜〜〜〜


「へい店長!これはまことか!?」


「おうよ!嬢ちゃん、挑戦するか?」


「愚問を、すぐに持って参れ!」


「気にいったぜ!正々堂々勝負しようじゃないか!」


待つこと10分、目の前に出てきたのは沸騰した真っ赤なスープに真っ赤な肉、真っ赤な野菜がふんだんに入った大盛り激辛鍋だった。

しかし、パタマは動じない。


「これを見て落ち着いていられるとは、俺はとんでもねぇ奴を相手にしちまったのかもしれねぇ。。」


店長の額から汗が流れる。


「じゃあ行くぜ!今から30分以内に完食すれば10万ルードだ!用意、スタート!!!」


わー!っと周囲も盛り上がる。

そこでパタマの目がカッと見開く!


「これしきで我を葬れると思うなカパハッ!」


・・効果は抜群なようだ。

しかしパタマは諦めない。

食べる、死ぬ気で。

というかお金持ってないから食べられなかったら即ゲームオーバーなのだ。

もう普通に根性で完食した。


「我、完食!」


オォー!!!周囲の歓声。


「やられたぜ、嬢ちゃん。気持ちいい食べっぷりだ!ほれ、持ってきな!ところで、名はなんてんだ?」


パタマは10万ルードを手に入れた。

それとファンも数人出来た。


「我はパタマなり。いい死合だった。。店長、感謝する。」


「へへっ、頑張んな!応援してるぜ!」


パタマはカラさに強くなった。


〜〜〜〜〜〜〜


「へい道具屋の店長!約束の金だ、受け取ってくれ。」


「嬢ちゃん、こんな短時間でどこでこんな金を。。」


満身創痍なパタマを見た店長は察する。


「危険なクエストを死ぬ気でこなして来たんだな。これのために。その心意気、見事なり!気に入ったぜ、嬢ちゃん!半額に負けてやる!だから残った金で宿と回復薬と状態異常回復薬とご飯つけといたから受け取ってくれ!」


「道具屋の店長、感謝する。」


「いいってことよ!また顔出してくれや!仕入れとくからよ!」


目的の爆竹を入手したパタマであったが、今日は身体を休めることにしたパタマ。

早速宿へ行き、風呂に入り、すぐ寝た。


〜〜〜〜〜〜〜


翌朝、早速買った爆竹に火をつけてみた。


ッドゴォーーーン


中央噴水広場が半壊した。

騒ぎを聞きつけ、人が集まってきた。


「何の騒ぎだ!」


「わ、わかりません!あの女の子が遊んでいたと思ったら急に大きな爆発が、、!」


「そうか、おい、そこの女の子!何が起こったか話してくれるかい?」


「・・・」


パタマは黙っていた。


「そうか、無理もない。あんな爆発が目の前で起こったんだ。無事でいるだけ奇跡だ。しばらくはショックで口も聞けないか。おい!この子を保護してやってくれ!」


「は、はい!君、こっちだよ。」


パタマは黙ったままついていった。


「君、事件のこと、何か分かるかい?」


「・・・」


「相当なショックだったんだろうな。分かった。今日はもう帰っていいからもし話せるようになったらまた来てくれ。」


結局事件の原因は分からぬまま隕石が降ってきただの、悪の軍団が活動を始めただの、地下火山が噴火しただのとさまざまなな噂が広がった。

パタマは無言で歩いていたが、ふと立ち止まって叫ぶ。


「・・・すっっっっっっげー!!!!!」


感動の余韻で黙っていただけだった。

正確には誰の言葉も何も耳に入っていなかった。


「冒険開始っ!!!」


うきうきわくわくしながら満面の笑みでパタマの冒険が始まった。


お読みいただきありがとうございます!

店長たちは漢の臭いがするのでおやぢと話すようにパタマはハードボイルドになります。

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