ボウケンっ☆
パタマは村の近くの森へ走って向かっていた。
魔物が出るかもしれない。
・・・ガサガサっ!デデンっ!スライムが3体現れた!
「とー!てー!やー!」
パタマは走りながらトゥーキックと往復ビンタでスライムを3秒で片付けた。
『パッパラパー!』
「およ?力が、、、漲るっ!!」
パタマのレベルがあがったようだ。
この世界ではスキルを授かった瞬間にレベルという概念が発生する。
神父そんはスキルを可視化出来るスキルを持つ者であり、基本的にスキルは成人の瞬間に授かることが多い。
キラリッ☆
スライムがいた場所に何かある。
「綺麗なのじゃ!」
パタマは太陽にかざしながらしばらく眺め、それをポケットにいれた。
~~~~~~~
パタマは森の奥地にたどり着いた。
なんだか雰囲気のある洞窟がある。
「ほほう!魔王の気配なり!」
パタマは楽しそうに洞窟へ入っていく。
洞窟の中は光るキノコが中を照らしており、ひたすら一本道だった。
その最奥に怪しげな祭壇がと黒いローブを被った人間らしき影が見えた。
「何者だ!ここは誰にも侵入出来ないよう、結界を張っていたはずだ!
なにぃ!魔力結晶球が割れているだとう!今日の朝までは問題無かったのに。なんてタイミングだ。」
「我、勇者パタマ!悪を滅ぼさんとするものなり!」ドヤア
気持ちよさそうに名乗りを上げるパタマ。
「ゆゆゆ勇者だとっ!?いや、はったりか。勇者がこんな小娘な訳ない。落ち着け私。
パタマと名乗る者よ、ここには何もない。見逃してやるから出て行け。」
その時、パタマのポケットが光った。
パタマはそれをポケットから取り出した。
キィィィィン!
「そ、それはぁぁぁ!なぜ貴様がそれをっ!はっ、まずいっ!!!」
ローブを被った人間は後ろの祭壇を振り返った。
「・・・メドよっ!この気配はなんじゃ!この波動はわらわが探し求めておるものではないのか!?」
「魔王様!まだ目覚めてはなりませぬ!すぐに取り戻して見せますゆえ、ええぇぇぇぇ!」
メドと呼ばれる人物は言い終わると同時に絶叫をあげていた。
パタマは大きく振りかぶってそれをぶん投げようとしていたのだ。
「ここに何もないなら、コレ、割る。」
「だめえぇぇぇ!ある!ここには秘密あるから!待って!話すから!」
メドはもうパニックだ。
「話して」
~~~~~~~
メドは仕方なくパタマに状況を説明した。
・祭壇の魔王様は封印された状態であり、破壊された核を集めれば復活を遂げることが出来ること
・パタマが持っていたそれは破壊された核の1つであり、この周辺にあることは感知出来ていたこと
・他の核の所在も突き止めており、復活の目途が立っていたこと
・魔王様は現在小さく、動けもしないが、核を取り戻すごとに少しずつ力が増して元気になっていくこと
・だが核のかけらが1つでも欠けているだけで大幅に戦力が劣ること
ざっくりこんな感じの内容であった。
「じゃあ、はいっ。」
パタマは核を差し出した。
「はっ?なんの真似だ?」
「これ、あの子の物なんでしょ?返す。」
「・・・いいのか?見返りは求めないのか?」
「楽しかったからそれでいい!」
「恩に着る。遠慮なくもらうぞ・・。」
「早く元気になるといいね!ほなばいちゃ!」
パタマはそう言うと走って帰っていった。
「クスッ。なんなのだ、あいつは。」
メドは可愛らしく笑った。
~~~~~~~
「ははー!おやぢー!我、帰宅!お腹空いたー!」
「おかえりパタマちゃん。楽しかった?」
「うん!魔王救ってきた!」
「がっはっは!なんじゃそりゃ!いいことしたなら結構だぜ!」
「おやぢ、くさい。」
「グサッ・・・!」
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