ハジマリっ☆
チュン、チュン。
ガバっ!
「我、起床!15歳なり!」
早朝、少女はそう叫びながらベッドから飛び起きた。
パパっと着替え、リビングへ直行する。
「ははー!おやぢー!おはよう!」
「あら、パタマちゃんおはよう。お誕生日おめでとう。」
「おうパタマ!おめでとう!今日も早いな!」
「おやぢ、くさい!ははお弁当!」
「グサッ!これはフェロモンだっ!」
「はいはい、パタマちゃん。お父さんをいじめないの。
お弁当すぐ出来るからお顔洗って朝ごはん食べなさい。」
「ほーい!おやぢ、すまんな。」
「まったく、あいつは。。ま、元気でよろしい!がっはっは!」
にぎやかで幸せな朝食が始まる。
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「我、完食!教会に行ってくる!」
「今日で15歳のパタマちゃんは成人だものね。
良いスキルがもらえるといいわね。」
「楽しみにしてたもんな~。外れスキルでもパタマは俺らの娘だ!気楽にな!」
「まかセロリ!ではさらばなのだ!」
手を後ろに羽の様に広げながらパタマは教会へパタパタと走っていく
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「おや、パタマちゃん。おはよう。」
「神父そん!おは!我15歳になった!スキルみて!」
「はは、相変わらずスピード感と勢いが凄いねぇ。じゃあこっちに来て。」
教会の奥に魔法陣の描かれた祭壇がある。
そこにパタマと神父そんが向かい合って立つ。
そして神父そんはパタマの頭に手を置き、祈りを捧げる。
「パッパラピーヤ、、、ホイ!」
ぱあっとパタマの頭が2~3秒光った。
「どうだった?神父そん!」
「うーん、パタマちゃんのスキルは『爆運』だって。
こんなスキルは初めて見たけど、、、運が良くなりそうだね☆」
神父そんはのほほんと笑った。
「テッテレー!『爆運』!パタマは最強なのだ!ほなばいちゃ!」
そう言ってパタマは走り去っていった。
「あはは、いってらっしゃ~い。気を付けてね~。」
にこにこと神父そんは見送った。
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「ただいまー!おやぢ!我のスキル『爆運』だった!ドヤ!」
「なんじゃそりゃ。景気の良さそうなスキルだなぁ!がっはっは!」
「あらあら、聞いたことの無いスキルねぇ。普通『剣技』とか『全属性適正』とか分かりやすいスキルなんだけど。。。直接パラメータに干渉するスキルなんて。」
「まあまあ、いいじゃねぇか!なんだかパタマに似合ってる気がするぜ!」
「それもそうね。楽しくなりそう♪」
両親は能天気に笑っている。
「我、魔王倒してくる!お腹空いたら帰ってくるねー!おやぢ、またな。」
「おう!世界の平和はパタマにかかっているっ!なんてな!気を付けて遊んで来い!」
そしてパタマは村の近くの森へ走っていった。
☆☆☆
☆☆
☆
一方そのころ。。。
「ふっふっふ、もうすぐだ。もうすぐ我らが魔王様が復活する・・!!!」
「人間どもよ、今のうちに平和を楽しむがよい。すぐに絶望を味わわせてやるぞ!!!」
お読みくださりありがとうございます。
パタマちゃんがおやぢに話すときはハードボイルド風にしゃべります。笑