◇世界樹の森◇
(2020/03/21 本日の更新はここまでです)
超短め。でも、あと数話で終わるかなってくらいです。
道なき道を進んで凡そ10分――いや20分くらいか。
さすがに歩き疲れた。
鉱山にあった世界樹の枝の効力はすごかったんだなぁと、つくづく思う。
「世界樹の森はどこにあるんです? 森ばっかりで見当たらないんですけど……」
「……ユーノちゃん。既に私たちは世界樹の森にいるよ?」
「えっ」
あの大きな世界樹がないと分からないな……。
森の中に世界樹の森があるっていうのも、よく考えたら意味分からん……。
「世界樹の森は世界樹に覆われていた森を示す。ここはその域だ」
「世界樹ないのに、ここが世界樹の森だと分かるんですね」
「感覚というものかな。何となくだよ」
「へぇ……」
どういう理屈なんだ。
「さて、そろそろ私の村に着くぞ。……ほら、あそこ」
ユリエルが指さす方には、小さな家が点々と建てられている村があった。
あそこがユリエルの故郷……。
大きい村なんだろうなと思っていたけど、そうでもなかった。
「小さい村だろう? 前はもう少し大きかったんだが、世界樹は消えるわ観光客もいないわで廃れてしまったんだ。今や村の住人は両手で数えられるくらいになってしまった」
世界樹の存在はそれほど偉大だったということだ。
観光名所的なものがなくなると、お店を経営していた人は皆立ち退くよな。
そもそも世界樹を観光するって……。
神社的な役割を担っていたのか?
……パワースポット?
「……さて、ようこそ。私の故郷――世界樹の村〝メロティ〟へ」
ユリエルが村の前で立ち止まった。
村を囲む柵はボロボロで、廃屋がいくつも立ち並んでいる。
本当にこの村に人が住んでいるのか……?
「ユーノ、ユーノ」
「どしたの? ナズミ」
「ユリエルの様子がいつもと違う気が」
「そう? いつも通りだと思うけど」
「そ、そうですか……」
ナズミ、どうしたんだ。
「私の実家はこの村の最奥にある。行こうか」
そうして、私たちは村の中へと入って行った。
次話もよろしくお願いいたします!




