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◇気づき◇

2章、スタートです!

 ――私は最近、あることに気づいた。


「ドゴオオオオオオオォォォン!! ナズチカッター! ナズチカッター! グワイイイィィン!」


 ナズチ、クラリス、ナズミ、私――


「私だって負けません! ズバアアアアァァァン! スオオオオォォォン!」


 私たち4人の中には――


「びゅうううぅぅぅ、びりりりりりり! どっかーん! ナズミウェーーーブ!」


 まともな攻撃役を担える人物がいないということを――!





「ああ……! ナズミちゃん、斬るなんて反則です!」

「ふふふ、私にのみ許されたワザなのです。ナズミウェーブは」


 で、この人たちは一体何をしているんだ。

 私が思慮を巡らせているというのに。


「もう1回です!」


 ――この4人で共同生活を始めてから1週間。

 かなり打ち解けてきたのは良いことだし、酒場の依頼もこなせることはいいのだが……。

 未だに魔物討伐という依頼に手を出せないでいる。

 理由は単純だ。


 ナズチは防御系の技能わざしか使えずで、攻撃する手段がグーパンしかない。

 クラリスは完全に回復&(アンド)支援役で、そもそも攻撃に向いていない。

 ナズミは完全に防御特化型。攻撃はできなくないが、かなり弱い。

 私は一応戦えるが、足しか使えないから役に立たない。


 ナズチが攻撃要員としてグーパン戦闘……というのも一応考えたが、戦いなれていないこともあって、無理に前線へ出すわけにいかない。

 それに、防壁シールドがかなり優秀だから、防御要員に持っていきたい。

 というか本人に拒否された。


 つまり、()()()()()()()()微妙なパーティなのだ。

 くっ、やはり私が武器を持つしかないのか……!


「よーし、もう1――」

「待った!!」


 と、矛盾に気づいた弁護士並みの声を出した。

 3人は手を止める。

 ナズミの粘液で作られた個々を模した人形が、3人の手にそれぞれ握られているようだ。

 そして、目を点にして首を傾げた。


「どうかしましたか? 今日の依頼活動はお昼から……ですよね? あともう少しですけども……。あれ、違いましたっけ」


 自分の頬を掻くナズチ。

 今日の活動は昼からだ。それは当たっている。

 だが、そこではない。


「私、ずっと考えているんだけど……」

「ずっと考えている……?」


 クラリスがオウム返ししてきた。


「私たちの組み合わせ、攻撃要員いないよね」


 3人は顔を見交みかわす。

 結局何もせずに、再びこちらをじっと見てくる。

 もしや、自覚がないのか……?


「ユーノ。採取の依頼しかしていませんし、特に困らないのでは?」

「ナズミちゃんの言う通りです。考えすぎではありませんか?」


 クラリスがナズミに続いた。


「今のところはまだないけど……冒険に出たら、絶対に魔物に襲われる機会が出てくるから。それに備えないと」


 それに、私の個人的な件もある。

 自分から見つけにはいかないが、見つけたらチート転生者を潰すという目的。

 それも達成していきたいのだ。

 ……非常に自分勝手ではあるけれど。


「確かに……。そう言われればそうですね。私は回復しかできませんし……」


 ため息をつくクラリス。


「わっちも攻撃ができればしたいですが……」


 俯くナズミ。


「私は戦えませんが、壊すことならできます!」


 なぜか自信ありげなナズチ。


「うーん……、私は普通の冒険者並みのことは大抵できるけど、武器が扱えないからなぁ……」


 結局、話はまとまらない。


 ――あれ? 昨日もこんな感じの話なかった?


 とか思っちゃいけない。

 だってしてないから。


「あ、陽の光が綺麗な長方形になりましたよ。そろそろいきましょう、町へ」


 ナズチが、窓から差し込む光に指をさす。

 ……そろそろ、魔石式時計とけい買おうかな。


 そして、私たちは軽く支度をし、町の酒場へと向かった。

次話もよろしくお願いいたします!(誤字があればご報告お願いします!)

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