Gender) LGBTという単語
幼い頃に
自分はバイか?と
思ったことが
男としての性欲は
もちろんあるが
未だにどこか
男と言う
自分の性別が気に入らない
スイミングスクール
更衣室での着替えがいつも
嫌で嫌でたまらない
自分の貧弱な体に対する
コンプレックスを抜きにしても
他の男の裸と言うのは
気持ち悪い上
汚らわしいと
潔癖症かもしれないけれど
男らしい男が好きとか
そういうことはない上に
むしろ女性に対する憧れ
体つきから所作までが
「キレイだ」という幻想を
未だに引きずり続けている
「男女の性差が縮まりつつある」と
聞いて納得してみたり
「ヤマトナデシコというものは
作らなければ女性と言う
豪傑を押さえられないから」と
そんな話を耳にして
苦笑いしつつわかる気もする
それなのに
もしも相手が男でも
相手が「女性らしさ」というのを
持ち合わせていたとしたならば
案外普通に恋するかもと
残念ラブコメ主人公らの
「男の娘」に惹かれるところを
笑い飛ばせない自分がいる
自分の性を否定する
そんなつもりも予定もないが
喘ぐ男女の濡れ場を見たら
女性の立場により共感する
わけのわからぬ自分の感覚
LGBTという単語
気持ち悪いとは思わない
そういった概念が必要な社会が
むしろ両者の
格差を露わにしているような
泥沼の中にはまりこんだような
そんな混沌とした気分
東洋西洋関わらず
歴然とした信仰を
抱く人々だからこそ
宗教そのものの根本に
疑い・批判を寄せるため
力を振り絞っている
なぜなら神や仏などが
「間違えるはずがない」のだと
そんな前提があるがゆえ
LGBTという単語
Tのトランスジェンダーは
生まれつきの
授かった
自分の体に手を入れてでも
「自分の気持ち」を尊重するという
強い意志が感じられる
そんな重たい決断を
誰が軽んじることができるか?
LGBTという単語
宗教や性という神話が
掲げる理想に応えるように
格差に苦しむ人々の
「現実」が反映されるなら
「理想」という名の「タブー」に触れる
一つの「転換点」なのだと
そんな風には考えられない?
アナタの隣に座った同性が
突如愛を囁きだすほど
アナタが美人なわけじゃなし
これは「意識」の問題なのだ、と
LGBTという単語
性のタブーに斬り込んだ
ならば児童の虐待が
恒常化しつつある社会
そこに隠れた性タブーにも
斬り込めるのではないだろか?
例えば子育て
誰からも
評価されることがない
「当たり前」とされる
シャドウ・ワーク
いのちの誕生の
特殊性による
性のロールを今こそ崩せる
女性が母になったとき
いつのまにやら
押し付けられる
母性神話が今こそ砕ける
いずれ役目を終えるまで
尊重されてほしいなと
LGBTという単語
心の隅で後ろ髪
引かれる感触ありつつも