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中二ポエム  作者: 九四山井耐排夢
「更新が遅れるかもしれません!」「今更遅いわ」
752/769

人形婚

今は柱となっている

腹を痛めて産んだ子が

ただひとつ憐れなることは

良き娘さん やれぬこと


誰かいい人おらんじゃろか

仏間に掲げた我が息子

母を国をと 日ノ本の

誉れとなった 今は亡き

海の向こうで死んだ子に

寄り添ってくれるええ子らは


夜な夜な回す トンカラリ

きれいなおべべを着せましょか

紫と朱の糸混ぜて

あの子に伝えて 共にいて


ポツポツ辿った商店街

季節外れのおひな様

焼けてしまって一人きり

俯きがちの若い子を

迎えて息子の嫁になれと


御髪を揃えて トンカラリ

十二単のその端を

押さえるように並べた倅

不肖の息子 柱となりても

どうか守ってくんなまし


お盆に載せて トンカラリ

人力車もほら回ります

九段の母が参ります

昔お前が遊んでた

七五三迎えたあの神社


雪をかぶった神主に

渡してどうかと拝みつつ

二人は奥へと向います

翁の面が憐れな母を

見下ろし二人を見つめます


九段の母の無作法を

どうか許してくんなまし

ひび割れた手で拝みます

きれいなきれいなおひなさん

息子の嫁になっとくれ


九段の母のやれぬこと

無力を許してくんなまし

お前は神になったのよ

海の向こうにまだいても


お前は神になったのよ

棺の中に爪と髪

お前は神になったのよ

救っておくれ おひなさま




せがれやせがれ こちらでは

現人神が 人となり

陛下は人と なられたよ

おまえはどこに いるのかい



お前は神になったのよ

救っておくれ おひなさま


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