Complex) 井の中の蛙
顔も知らない相手を殺す
ファースト・パーソン・シューティング
ガイジンらしき英語使いが
フランスの国旗掲げていたので
「カエル野郎」とののしったなら
黙れスシメシ、と言われた
「シャリと一緒にカエル食ってろ」なんて
オマエ案外ニホン好きだろ、と
考えてみりゃブーメラン
井の中の蛙大海をなんて
よくよく言ったものだけど
俺にとっての大海ってのは
多分高校だったんだろうな
中学時代の成功は
そのまま持ち越せるはずもなく
さらにその先の大学受験を
見据えて教師と塾ぼろもうけ
誰もかれもが個人ではなく
個人の実績あてにして
自力で何とか理解しようと
下手な考え休むに似たり
予備校で宿題見てくれるのは
アルバイトらしき大学生
精々がんばれと言わんばかりに
搾取されているのがわかる
成功すれば学校と
進学塾が実績山分け
受験に失敗したなら
すべての責は本人へ
井の中の蛙大海をなんて
生まれる国さえ違ったら
オレも少しは違った未来を
歩むことが叶っただろうか
福祉制度はあるけれど
肝心かなめの学校が
そのやり方を教えてくれない
なんだかいつもババを引き
今じゃ学生時代の自分を
後悔することしきりである
「誰か他人の言うことなんか
適当に聞き流しておけよ」と
それでも言葉に惹かれる俺は
それを発する教師ではなく
発せられた言葉というやつを
信じてみたくて祈ってた
けれども今じゃこう思う
使い古されたことを平気で
何度も口にする奴は
考えること放棄した
でくの坊どもとどう変わるのか
「オマエに教えてやろう」という
大人がもしもいたならば、
彼の言葉に気を付けて
聞き古された言葉やら
「曖昧」という理由で理解できない
そんな言葉を発する奴は
信用に値しないのだと
俺はこうして人を見る。
俺はこうやって
人を見極める