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探偵しよう
古本のなかに狂気あり
店主も知らぬ本もあり
ありうべからぬその本は
まじない隠してワクワクと
手に取られるのを待っている
ぺらりぺらりとよむうちに
沸々こみ上げてくる願望
この本の勧めるところによれば
完全犯罪さえ可能
薄暗い店 かび臭く
埃が積もる本棚で
ざらめのような砂、亀裂
一般書店ではもう見ないもの
ぺらりぺらりとめくる音
ヒヒヒと店主が笑ってる
古ぼけたエアコンが今
ブウウウウゥーン…と掻き回す
狂気を孕む この空気
頁の間に スクラップ
色の変わった新聞記事にゃ
殺人事件の切り出しだ
ありきたりなる 小さな見出し
先駆者が売ったこの本は
まさしく「悪の教典」か