ヒットラー売ります
ロバート・ハリス「ヒットラー売ります」を参考、一部改変し引用した。
ハーケンクロイツ みせびらかして
髑髏のマークに手を掲げ
自分の名誉と忠誠を
悪の権化に売りやがる
「俺はネオナチではないし
ダチにはユダヤ人もいる
けれどもヒトラーはすげえ」と
ナチコレクターの実業家
一種のジャンルにすぎないわけさ
ナチスっていう亡霊は
「ナチズムと無縁の我々が
それを取り上げてるわけは
それが売れるとわかるから」
ベルリンフライト 炎上機
狼狽激怒の 我が総統
あれには私の命令が なんて
噂話が始まりの
「ヒトラーの日記」気分はインディ
ジャーナリズムが 我が名誉
誰も信じぬ 特ダネは
「専門店」の店主へと
彼自らが書き上げて
叩き汚した 戦後のノート
偽造のボルマン「保証書」と
ハーケンクロイツ ハンドメイドで
十万ドル越え 売上が
参考書もとに 書いたもの
予定をそのまま書き写し
知らぬ三者が驚愕し
「真偽以前に価値がない」
汚れたハーケンクロイツが
歴史の「未知」を装って
関わる皆を舞台へと
偉大な歴史に 押し上げる
ナチは売れるさ どこまでも
スクープ小出しにしたせいで
お粗末な出来に 踊らされ
ナチは売れるさ いつまでも
商業主義の 悲劇か喜劇か
所詮売り物である限り
似たり寄ったり 続くだろうさ




