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Folklore) ちはやふる
ちはやふる
神代も知らぬ
世のこころ
不安と恐怖が
神々を
新たな形に定義する
神憑りやら
託宣が
トランス状態とされて
国家運営
携わるのは
スピリチュアルから科学へと
建前上は聖書を片手に
いずれは来ると
誰もが信じた
審判は
ずるずる先延ばしにすれば
その時々の時代区分で
勝手に解釈してやがる
そのうち金融危機こそが
「審判」と呼ばれる日も遠くない
明日への不安
彼岸への恐怖
慰めも今や
現世利益へ
しっぽの生えたお稲荷さん
進む擬人化
萌えとなり
より等身大へと姿を変える
ちはやふる
神らも知らぬ
民人が
己を描く
定義に合わせて
姿変え
仏はいつしか神となり
いつしか逆転
神が仏になったとさ
祖霊は己を失うも
怨霊となりし個はいずれ
鎮めるために崇められ
より身近になる
神々は
老婆が見れば目を剥くか
「畏れ多い」と
九段の母は
人が神へと変わるなら
神も人に変わるとさ
まるで一つの車輪のように
世界はいつも繰り返す
歴史を遡ればいつも
ちはやふる
神らも知らぬ
人の子の
描く神々
この世の写し絵
ちはやふる
神らも知らぬ
人の子の
描く神々
この世の写し絵