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Folklore) おみくじ

神社で初めて

凶が出た

思わず本殿

お社に

何度も何度も頭を下げた



初めて自分の

この気持ち

汲んでくれたと

思えたから



デパートの屋上

レストラン

セピア色の幼少期の中

後から付け加えられた

赤くて小さなお社一つ



今日一日の体調が

明日持ち越せるとは

限らない

波にさらわれ

上下して

布団から出られぬ日すらある



やっとのことで

外に出て

参拝すれども

消えぬ悩みに

迷った時の道しるべ



神の言葉と

忠告と

信じてみたいと思っても

今の自分に向けられるのが

「言祝ぎ」である限り

納得できずに苦笑した



小さな木箱

百円を納め

数あるうちから一つ選んで

確率論を思い出す



その時々に適切な

「おみくじ『が』手中へ」と

考えども

自分にとっての万全は

「病以前」の状態であって

「性格変化」の自分であり



時に病を唾棄すべきと思い

時に病を宿痾と考え

ある時は「もうこれしかない」と

「完治せざる」を願うこころ




アンビバレンツな在り方に

七つのお祝い迎えた社じゃ

翁の面も当惑し

高砂どころではないと

この子はどうしてこうなった、と



今まで縁のなかった神社

気性の荒い神がいて

昔ながらの父親思わす

凶という名の一喝に



どこのおみくじ引いても変わらぬ

たった一言短い言葉

「やまいはいずれ治るはず

 神を信じて待てばいい」



今日もゴドーを待ちながら

今日もゴドーを待ちながら

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