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モルグ
モルグ
好きってわけでもねえんだが
わけわかんねえルーティーン
気がつきゃいつも通りなのさ
色褪せる日々 アルバイト
就活勤しむ 大学生や
老害同量にバカにされ
未来がないと笑われる
アパートと職場 往復の日々
オレンジ色の電灯の下で
稼ぎ注ぎ込む出会い系
プレゼント用に麻縄を
自分に価値もないくせに
たかるつもりのブスどもを
接待してはデートの仕上げ
アパートに今日もご招待
現金の束で足止めし
市販カクテル ペロスピロン
心配しているふりをして
言葉でバッドトリップへ
乳房でプリンは作れるか?
梁に浮かんだ女を見上げ
酒で抗うつ剤を飲む
刺激になるわけでもなくて
生活が変わるわけもなく
延々続くルーティーン
麻縄を買う百円ショップ
顔なじみとなった店員に笑顔
首絞めるのには最適、と
バレないようにはしているが
バレるは時間の問題で
もっとマジメな死体の処理を
やらない点で投げやりか
魂の抜けた抜け殻が
時々流す涙には
腐った生の臭いあり
切り落としたい脚がある
綺麗にしたい血が全身を
汚し穢して循環し
世界は大きな霊安室で
営む形は極端な
模倣を今日も続けてる