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宛てない
謎かけ好きな神の前
予言いただき困惑す
ソクラテス笑うゼウスたち
予言の表面 鵜呑みにせずに
隠喩と謎を解きほぐし
己で解釈することに
好意を抱く神殿は
真理の裾を掴もうと
望んで狂気に堕ちようか
王道足りうる善は今
言葉で穢れているために
そこの浅さで悟るべからず
善なるものも悪すらも
知らないことを知らないだろうと
思う彼には冠と
額に優しき口づけを
アテナの叡智の口づけを
星や数字に魅了され
自然に畏敬の念を持ち
脚が折れれば今こそと
死ぬべき時を見出して
惑う子供を喜ぶは
性悪なだけじゃないはずで
悩み考え抱く答えの
「彼だけのもの」に祝福を
人間らしくも人間よりも
はるか遠くにおわすカミ




