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Folklore) 飛梅

天神さまのお社に

そっと控える梅の花

天神さまが流されてなお

あるじ慕いて飛んできた


もちろんこちらの伝説は

現実的に考えりゃ

辻褄あわせはできるけど

それでも自分はこの飛梅の

伝説の方が好きなのだ


味方もいない道真公

名ばかりの権威与えられ

朝廷に逆らいしものとして

窮々として暮らすなか

あるじを慕う梅の想いに

公の心はいかばかり?

春を忘れることもなく

あるじ忘れることもなく


公を慰めんとする

老婆の心尽くしばかりの

梅の枝にて渡された

それが今日日の梅ヶ枝餅と


朝敵に対し

容赦ない

迫害の中潔白を

訴える相手

人間は

どこにもおらず

後に残るは

神仏と


あるじの嘆きに寄り添うは

かの地へ飛んだ梅の花

あるじの苦悩を見届けてなお

あるじの社を守るため

根を下ろし歌う鎮魂の

声なき歌が東風に乗り


天神さまは今もなお

梅を見上げているかしら

華奢な梅の幹に手をおいて

青空を仰ぎ見るだろか

梅の花映える青空に

飛梅を今日も守るべく

雷雨を

風を

遠ざけて


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