Words) 空の言葉
ショーペンハウアー「読書について」並びに
ショーペンハウエル「知性について」を参考にした。
現世は空蝉
こころもからだも
空のまま
そうとわかっていても許せぬ
「死んだコトバ」の空々しさよ
かつて誰かが言っていた
そんな言葉を咀嚼もせずに
「当たり前」として飲み込んで
オウムのように繰り返す
澱んで汚れる言葉の価値
「本質は直観に顕れる」
「比喩こそ真理を言い当てる」
けれどその過程にある試行錯誤を
全部省けば残るのは
空という名のバカばかり
教育者らの正論は
「自分が正義の側にいる」
確信を得て語るわけ
理想を口にしたところで
すぐさま叶うわけでもないのに
「これさえ言えば間違わない」と
おっかなびっくり安牌に
縋る彼らの護身術
自分でものを考えずに済む
先人の知恵のうわべだけ
掬って流して知らん顔
「エラい人はこう言って
それに対してこの反論」
出来事重ねてみるけれど
中身聞いても教科書の
「概要」そのまま語るだけ
空の言葉を聞くよりは
奇抜な言葉や間違いを
聞いてるほうが耳に良い
「考えないこと」教えられた奴は
「考えないまま」奇抜な言葉に
そのまま飛びつき知らん顔
ちょっとした遊び
やってみよう
「人殺しとは悪である」
これを否定するために
「人殺しとは善である」
そんな仮説を立ててみて
思いつくまま並べてみよう
奇抜であっても突き詰めるなら
正論であっても突き詰めたなら
空の言葉はその瞬間に
本来の価値を取り戻す
すでに答えは出揃った
先人たちの智慧教科書に
後は過程を考えるだけ
空欄の過程埋めるのに
はるかに時間をかけてみて
出した己の結論が
先人のものと違っても
思考の過程に意味がある
証明そのものに意味がある