窒息
よく見る夢3
目が覚めたなら教室で
静まり返った学舎の
刻まれた文字は「逃げろ」とさ
自分の足音に怯えて
昇降口に向かうなか
パーティーマスクを被った奴が
廊下でこっちを見つめてた
逃げなきゃやられる
殺される
閉鎖された校舎のなかで
切られた足を引きずって
外への扉に飛び付くも
開くことはなく焦れども
如実に近づく殺人者
逃げなきゃやられる
殺される
それが最初の自分の死
目が覚めたなら元の席
殺人鬼の気配に怯え
新たな脱出試みる
息を潜めて足音殺し
遠回りして昇降口
行きつく前に銃声が
脚吹っ飛ばされて崩れ落ち
引きずり物陰へ向かえど
頭は散弾で弾け
逃げてもやられる
殺される
向き合えそうもない己の死
恐怖と焦り
怯えの中で
叩き割れない窓ガラス
疑問に動けないままで
教室の中で四度目へ
何度死んでも夢の中
何度死んでも命は続く
死に物狂いの突撃に
ようやく倒した狂人は
床にて溶け消え銃だけが
昔自分の頭すら
ぶち抜いたはずのその銃が
脱出のための鍵となり
扉吹っ飛びその先に
視界が白くなる出口
終わりに向かって駆けだせば
自分の発見
廊下にて
攻守交替
表裏
顔の見えない殺人鬼
それが自分と気づいた時にゃ
やるべきことは決まってた
廊下を歩く
教室目掛け
脱出目指す
殺人で
殺せば次の生贄が
殺されたならまた生贄に
奴は知らないのだろうか?
向かってくるのが「自分」だと
だとすれば俺こそが
本物なんだと言い聞かせ
弾の尽きない猟銃に
やがて吸い込まれそうになり
壁にもたれて突っ込んで
足で引き金引いてみる
それでも終わりは来ないまま




