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報復
過去を消すにはただ一つ
物理によって場所を消す
炎と爆発 気化したガソリン
すべてを灰にしてこそと
頭の中の怒りの日
すべてを灰にしてもなお
自分自身から逃げられぬ
直接的な加害者と
間接的な「社会」という
両者の加害者に対し
無謀な復讐始めては
民族間の憎悪とも
宗教紛争とも違い
特定できない怒りの中で
無差別殺人幕を開け
結局復讐したいのは
疑う術を奪われて
唯々諾々としたがった
愚かな自分というわけか?
牙は奪われ
殺しの限界
日用品にて人殺し
次世代担う子供らを
殺害するのは「解放」か?
白々しさも極まって
無力な相手を標的に




