アイデンティティ
ピート・ハミル「ブルックリン物語」ならびに
柳美里 「石に泳ぐ魚」
馳星周 「不夜城」 を参考にした。
また、ロッテがニュースで取り上げられたとき、日本と韓国とで報道の違いがあったと聞き、考えさせられるものがあった。
ブルックリンのアイリッシュ
取り上げられた母国語の
代替として得た英語
旧約聖書の再現と
アメリカに向けエクソダス
全財産を売り払い
やってきたのは港町
ゆえに動けず立ち往生
待っていたのは貧困で
ゲール訛りをからかわれ
アイリッシュの誇り なお遠く
けれど異国の土地の中
言語で困ることはなく
他に仕事の当てがなく
公務員らになった途端
イタ公どもが唾を吐く
異文化「許容」と言うよりも
共生せざるを得ない実情
ケルトの薄明 なお彼方
「マク」の姓にてからかわれ
移民の二世三世は
祖国も知らぬが実情と
自分のルーツと祖国と歴史
何が証明してくれる?
戦前・戦中・戦後の動乱
取り残された日本人
祖国へ帰ってみたならば
何の言語も通じずに
戦前・戦中・戦後の動乱
日本へ移ったアジア人
近くて遠いふるさと前に
自国の文化に固執して
祖国の言葉を喋れずに
中途半端な存在と
見なし見なされ自覚して
「里帰り」すれば日本人
そのまま暮らせば外国人
ますます溶け込めないままで
時に己に流れる血
授かりものを憎悪する
「ジブン」を掴めぬその訳は
自分のせいではないのだ、と
自分のルーツと祖国と歴史
何が証明してくれる?
移民の二世三世は
祖国も知らぬが実情と




