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李徴
はりつめた心
いつも苛立ち
軽薄な奴を見下して
いずれそいつらに先を越されて
いつのまにやら追い抜かれて
殺意が虎になっていく
尊大な自尊心…
当たり前を確認するための
会議が始まり
建前で求められる意見
早く終わらせようと
述べる意見は否定され
いつもそいつらに追い抜かれて
協調性がないと否定されて
有能さはいつも
多数の無能に否定され
多数の無能は
協調性というコトバに守られて
殺意が虎になっていく
貪欲に求める有能さ…
目標はいつも果てしなく
到底届くことのなく
無能のコトバ
「頭いい」はただの嫌みで
殺意が虎になっていく
孤立という名の悲鳴…




