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中二ポエム  作者: 九四山井耐排夢
黒歴史中の黒歴史(というよりも同じことを繰り返し言ってるだけだろほかにネタはないのか)―2018年以前の作品―
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タクシードライバー

2020-06-27当日に書き上げた。

マーティン・スコセッシ「タクシードライバー」ならびに

ブルース・スプリングスティーン「ボーン・イン・ザ・USA」を参考にした。

視界の滲む夜の街

不眠症が治らずに

タクシー転がす雨の町

神経高ぶる乱痴気騒ぎ


ロクな仕事も手につかず

お国のためには戦った

けれども傷痍軍人なんて

そんな名誉は夢の夢


どこか懐かしポルノの中で

蠢動している血と肉を

暇潰しがてら眺めてる

「したい」わけでは別になく

夢か記憶か胎児を思う


ただ何となく自分には

何かが欠けている気がしていて


カフェで知り合った女

散々なデート

フラれるも

なぜ怒らせたかわからない

不快にしたなら謝ると

言ったらさらに逆上し

「口先だけの男」だと


ぼんやりぼんやり省みる

このままダメになるなんて

仕事仲間に相談すれば

「人生の先輩」が口開く


まだわからないのか

俺たちは

クソッタレに生まれてきて

クソッタレなまま死ぬだけだ

どこにも逃げ場はないんだし

諦めたほうが楽になる



ネオンでにじむ夜の視界

彼の言葉を振り返る

乱痴気騒ぎの連中も

嫌がるふりする売春婦らも

みんな諦め生きている


蹴飛ばされても黙り込む

そんなお人よしではないからと

体を鍛え銃を買う

照星の先

銃口は

窓辺のすべてに向けられて


一番若い売春婦

世間知らずな家出っ子

まだまだ引き返せるのだと

伝えようにも言葉が出ない

散々自分が嫌ってた

教師のような説教で

ため息とともに逃げられる



視界ぼやける昼の町

夢見心地な心境で

街頭で喚く男を狙うも

護衛に囲まれ叫び続けて

思わず笑いがこみあげる


「どうせ全員意味がない

生きている意味が何もない」


誰でもよかった銃口が

偶然売春宿のなか

搾取する奴に向けられて

そのまま引き金引いていた


警官なのか救急隊か

こちらに伸びるその手の意味は?

助け起こそうとしてるのか

捕まえようとしてるのか


売春宿の殺人を

世間は英雄的だと言い

タクシー仲間も冷やかすも


再び乗り込むタクシーの

ヤニで曇ったフロントガラス

今日も始めるいつもの仕事

未だ銃把を握ったままで


次に誰かを殺したら

今度は何と呼ばれるか?

諦めきった思考の中じゃ

まさにどうでもいいことさ


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