きっかけのお話し。2
そう。私、大の男嫌い。
話し返すのでさえ約1年分の勇気がいる。
話しかけるなんてもってのほか。
だから“6年前の私、よく頑張ったー”なんてよく心の中で唱えている。
「絶対にいやだ!」
「じゃあ何で谷本くんはいいのよ?」
「いいのは真だけなのー!」
谷本 真
私のお兄ちゃん…でないけど、物心ついた時から一緒に居る1つ年上の幼なじみ。
私が男嫌いになる前から一緒にいたのは真と真の両親だけ。
「でも、信用してるのは、葎と真だけだよ?」
「へぇー。それは嬉しい話だ。」
言ったのは葎…だったら良かったのだが、生憎違って…
お・と・こ・の・こ・え・!
「ぎゃあぁぁぁぁぁぁぁ!りつぅぅぅぅぅ!」
私が葎の背中にしがみつくのは男子に声を掛けられて3秒以内にする癖であり、昔は真にしがみついていたワケです!
全ては男子が悪いんです!
「亜空。落ち着いて…谷本君よ?」
は?
恐る恐る背中から剥がれてみると、そこにはニコニコしながら手を振っている真の姿があった。
けど、さっきの声は彼の声とは違った何時もの自称イケボはどこに行った!
「いやぁ、ごめん。実は朝から風邪気味でさ、何時もの声が出せないんだ。」
「風邪気味なのに、何できたのよ…」
葎…私も同じ事思った。
「大丈夫。すぐ治すから!それよりも、亜空。お願いがあるんだ。」
…ん?まてよ、
「おねがい?」
なんだかすっごくイヤナヨカンガ…