戦いまでのデート
ヒロインが増えるよやったね
10年ぶりに翔矢に出会えて嬉しかった。やっとまた一緒にいれる、直に思いを伝えることができるって。
記憶喪失だったのは本当で性格も少し変わってしまっていたけど、翔矢と話して本質はそのままだと感じて安心した。
だけど記憶喪失じゃなかったとしてもこんな変わり果てた僕を見ても翔矢はわからないよね。
翔矢と勝ち残るために身を犠牲にして手に入れた力だけど翔矢といられる時間が限られているのはとても残念だ。
あぁ・・・せめてこの体になる前に翔矢に出会えればよかった。
「あれやろうよ翔矢が持っているラノベのセリフ、せーのっ、あーきはーばらー」
「やるか!!ばか!!恥ずいわ//」
『こいつ勝手に俺のラノベ読んだな道理で並びがバラバラになっていると思った』
今、俺たちがいるところはさっきソルが言っていたように秋葉原の駅前にいる。
休日なのか駅は観光客であふれており、目の前の電気街口も盛んに人が行き来している。
「ねぇどこ行こうか?ゲーセン?アニメイト?それともメイドカゔぇあ!!」
「言わせねーよ」とソルの頭に丸めた秋葉原の観光ブックで軽くチョップし、本題に移ろうとする。
「そもそも秋葉に来たのはソルが見つけたファッション雑誌のモデルが星誕者の可能性があるって話だっただろ」
ソルが白銀の園に引っ越してしばらく経った後、ソルは、俺の部屋に駆け込み
「ねえこれ見て」と一冊のファッション誌を見せてくれた
名前は「照井城奈」
彼女のページには、「今尚注目され続ける女子高生」と大々的に書かれており、
プロフィールと今流行りのファッションとを着ている写真がいくつか載っていた。
「この娘がどうかしたのか」というとソルは一枚の写真を指差す。
その写真はインタビューに答えてる姿を撮ったものだが彼女の右手を見てみると赤い文様があり星痕だと確信する
ソルの調べによると近日秋葉原のスタジオで撮影会があるらしい。
で、秋葉原に来て見たのだが空は星空に彩られた空亡に変わらない。
どうやら相手のパートナーが一緒にいないので空亡の範囲内にいても発動しないらしい。
なのでその時間をどう潰すか考えていたところ今に至る。
「とりあえずアニメイトに行って新しいラノベ買いたい」
「やっぱり行くんだ」と行った後見透かしたように微笑みかける。
「いいだろ別に。後、俺のラノベ勝手に読むんじゃねえ」
「いいじゃないか僕、ラノベは翔矢の家に居候するまではあまり知らなかったけどすごく面白いね」
ソルが家に居候するようになってから度々俺の部屋に押しかけてはラノベを借りるようになった。
本人は話題作りのために俺の趣味に合わせていたらしいが気に入ったらしくすっかりラノベ作品にのめり込んでいた。
「とりあえずいくつか買ったらマックで飯食ってその後、ショピングモール行くか。いくつか日用品買い込みたいし」
「いいね僕、こたつ欲しいんだけど」
「ファンヒーターで我慢しろ。あれは人をダメにする。」
「えぇ・・・」というソルをよそに歩みを進めているとアニメイトについた。
早速エレベーターでラノベコーナーまで行きいつも読んでるラノベの新刊をいくつかと今月発売した新作にいくつか目を通す。
ソルも何か欲しいものがあるらしく俺と一緒にラノベの表紙を見て回っていた。」
「あっなろう小説出てる買おうかな〜」
「お前チート系のやつ好きなのか?」
「う〜んどっちかっていうとねファンタジーの世界で冒険しているものが好きなんだ。後、主人公が幸せになるところとか」
「そうか・・・」と頷きつつレジにラノベを持って行く。
俺はあまりそういうものは好きにはなれなかった。何にも努力していない人たちがチート能力を手に入れてポンポンと何事もなく問題を解決することに憤りを感じていた。やり方を間違えたとしても敵だって目標のため努力し、
命をかけて戦っているのにそれを単なる一つの強大な才能にねじ伏せられるのが許せなかった。
ゆういつ見られたのはこ○すばくらいだろうか。
まぁ今の俺もそんなものか・・・
レジで会計を済ませアニメイトへ出てマックで食事を済ませた後ショピングモールでいくつか日用品を買って行く。
途中でソルが服飾店でいくつか試着したいものがあると言ったので試着室で待つことにした。
まぁそのモデルがいるスタジオからは空亡が発動する範囲内だし時間潰しにはなるかとは思ったのだが
『何だろう妙に落ち着かないソルのやつ試着室で待ってろだなんて男子にとってレベルの高い要求しやがって万が一ここで・・・』と考え込んでいた時に
ドッと背中から衝撃が走り体勢が崩れた。どうやら誰かが走っていた拍子にぶつかって来たようだ。
どうやら女性だったらしく「すみませーん急いでいるものでー」とそのまま走り去ってしまった。
そのまま試着室のカーテンへと突っ込んでしまう。
そこで見てしまったのだ。着替え中であったソルの裸体を
その柔肌は肌白く雪のような滑らかさを感じさせ程よく成長している太ももと胸は豊満な果実を連想させた。
あまりの魅力に数秒、思考が停止していたが今あるだけのIQを精一杯フル回転させて言い訳を言う。
『俺は悪くねぇ悪りぃのはぶつかって来たやつだ』 (建前)
「い・・いや悪いあれはトラブルなんだまさかラノベ展開がまた起こるだなんて・・・」 (今出た言い訳)
『何言ってんだー俺?!いくらたわわに実った果実が目の前にあるからって。てか何思ってるんだー?!」
と心の中で葛藤していると
「だ・・・だいじょうぶきにしてないからそれよりもそんなにみられるとはずかしい//」
その後しばらくは気まずい状態が続いたがス○バのフラペチーノを奢ったら機嫌が治ったみたいでいつも通りに話しかけてくれた。
『女子が甘いのに弱いって本当なんだな・・・」
ショピングモールを出るとあたりはもう薄暗くなっており中央通りの建物が空の星々のごとく光り満ちている。
「結局、星誕者と会うことはなかったな」
「そうだね。でも僕は楽しかったよ君と一緒にデートできて。また翔矢とこうしていられた時間は僕にとってかけがえのない宝物だよ」ソルはそう言って満面の溢れる笑顔を向けてくる。
『また・・・か。ソルはまるで過去の俺を知っているかのようにしゃべる時がある。いや多分知っているだが聞き出そうと思っても聞いたら後悔すると思い聞き出せず、ソル自身も聞いて欲しくない雰囲気を出しているので聞かないようにした。』
「じゃあ翔矢そろそろ帰ろう。詩織さん待たせちゃう」
ああそうだなと言おうとしたところで静寂が訪れる。周りを見てみるとさっきまで縦横無尽にいた人々は消え
建物は色褪せ代わりにビルの光で見えないはずの星々が極彩色に光り輝いている。
「来たみたいだね」
「あぁ」
「踊っている心のスイッチを切り替え戦闘モードになり右手の天秤剣を構える。
数100m先には星誕者である二人の女性がいた。
一人はマークしていた通り照井城奈
金髪の長いポニーテイル、濃いピンクのダッフルコートとロングスカートでいかにもお嬢様という気品を出している。星晶武装は手足にピンクの鎧を纏っているため何の星座の星痕なのか判別がつかない。
もう片方はショートヘアでスーツを着ておりどうやら執事のようだ。
武装は二丁拳銃だが綿手袋をつけており同様に星痕が判別できない
『スーツの女どっかで見たことあるよな?』と考えていると二人が同時にこちらに喋り出した。
「あなた・・・服飾店にいた」「一目惚れですわ」
「今何て?!」
まさか第一声ヒロイン天丼セリフが聞けるとは思ってもいなかった。
お前らが小説を書く先に俺はいるぞ
だからよぉ(執筆を)止まるんじゃあねえぞ