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チャコネガルツ

平岡俊ひらおかしゅんは夢見る受験生!

 俊が思いついた計画をマニはチャコネガルツに伝えに行く。そして第8番惑星ハヅキの秘密を聞かされるが……。

 チャコネガルツ


「千絵は、あまり真剣に考えてなかったみたいだ。僕の方ががっかりだよ」

『女の子って、そんなに簡単じゃないのよ。簡単に騙されるのは男の方。引きずるのも男の方』

 いつものように、お風呂でマニとそんな会話をしていた。

「……やれやれだ。どっちの味方なんだよ、マニは」

『もちろん千絵ちゃんの味方。女性の味方。これ以上悲しませたら駄目なんだから』

 これ以上? それって、旅行は行けってことなのかな?


 マニの考えていることも分からないや。テレパシーの一方通行なんて、どう考えても不公平だ。

 ……んん? 

 今日はそんな報告をするために話に来たわけじゃない――!

『お風呂を覗きに来ただけでしょ……いつもと同じ時間に』


 だから違うって――!


 マニは茶化すが、ちょっとだけ今日は真面目に話を聞いてほしい――!

「そんなことより、もっと大事なこと!」

 ――これこそが本題だ!


「マニの星の近くにはガス状の惑星はないのか? 簡単に話すが、それになんとか火をつけて移動させ、ベテルギウスにぶつけてやるんだ。


 ――超新星爆発を早めるんだ。何とか10年以内に!」


『凄い大胆な発想ね』

「ああ、帰りに思いついた」

 映画やアニメの宇宙ものを調べて気付いたとは言わない。でもバレている。

『でも、一体誰に、どうやってそれを伝えるのよ?』

「直接話を聞いてもらえないか? 誰か偉い人……宇宙研究所みたいなところのお偉いさんにでも……」

 マニの両親がノア計画に参加していたのなら、そのつてを使えば可能じゃないか?

『宇宙局長? チャコネガルツに?』


 宇宙局? 

 チャコネガルツ?


「なんだそれ?」

『うーん、今のナガツキでは一番偉い人になるのかな。宇宙局が星の命運を握り、計画を実行していた。そこの一番偉い人。ノア計画でかなり上層部の人はいなくなって、ナガツキにとどまったチャコネガルツが局長になったのよ』


 惑星と運命をともにしようとしたのだろうか……?

 もしも僕が同じ立場の人間なら……考えられないが。


『そうね……本当は失敗すると思っていたのかもしれないわね。どれ』

 マニは風呂を上がると、素早く服を着た。

 いつものヒラヒラした羽衣のような服ではなかった。

「どこに行く気だ?」

『宇宙局長のところでしょ』

「――えっ、今からか? 明日でいいじゃないか」

 ナガツキの夜は星が奇麗なくらい……暗い。そんな中、女一人は危ないのではないだろうか?

『うーん、危ないといえば危ないかもしれないけど、時は一刻を争うわ。第五惑星サツキこそ唯一残されたガス惑星だもん。冬が来る前になんとか伝えなくちゃ』

 

 ――あの昼間に見えた不気味で巨大な黒い惑星サツキが、木星のようなガス状の惑星だったのか――。

 

『今回の冬を逃せば、次にサツキがナガツキに接近するのは、50年後。その頃にはエネルギーパネルが焼けて消滅し、ナガツキは灼熱にさらされて滅びてしまっている』

「時は一刻を争うってわけか……」

 黒い服装を着たマニは、靴を履いて照明を消すと、窓を静かに開けた。

 ――ん?

「なんで窓から出るんだ? 夜の外出は禁止なのか?」

『実は私……監視されているのよ。宇宙局の監視員から』

 小さな声でそう言いながら右や左を見渡し、誰もいないか確認する。

『ノア計画の失敗は――宇宙局と計画をした私の両親の責任になった。そして失敗して生き残った私には疑いの目が向けられた……』

 四角い窓からそっと外へ出た。

「――まさか、酷い目に遭わされたのか?」

『ナガツキの人はそんな野蛮なことはしないわ。でも、私は普通に働いたり生活するのには、色々と制限がかけられたの。ノア計画の詳細なんて私は何も知りもしないんだけどね』

 機密事項を知っているかもしれない! と疑われたのだろう……。


 窓の外壁にそって非常階段まで慎重に歩き、階段を静かに駆け下りると、わずかに足音だけが周りから聞こえ出す。

 ――監視員が動き出した?

 身をかがめて狭い建物の間や上下左右に階段を素早く走り抜ける姿は、まるで忍者だ――。

『でも、宇宙局に通報されていれば、門を閉じられて入れないわよ』

「門? よじ登って乗り越えたりは……できないか?」

 もし自分が同じ立場なら絶対にできないようなことを言ってしまう。夜の国会議事堂に一人で潜入……? できるわけがない――。

『あっ――あそこならいけるも』

 何かいい方法がマニにはあるようだ。


 ほぼ全速疾走でマニは1時間くらい走り続けたにもかかわらず、息切れすらしていなかった。

「――もしかして、マニってロボットか、アンドロイドなのか?」

 地球にいればオリンピック選手になれるだろう。金メダル確定だ!

『人間に決まっているでしょ! 意味の分からないこと考えてないで、侵入することに集中してよ』

 ――怒られてしまった。


 宇宙局の建物には、厳重な……というほどの警備員はいなかった。ただ、いつもは開いたままの四角い頑丈な門が閉められている。

『やっぱり通報されちゃったみたいね。念のために門を閉めたんだわ』

「じゃあどうするんだ?」

 周囲は高い外壁で建物を囲んでいる。登れるような高さじゃない。

『昔と同じなら、一カ所だけ入れるところがあるのよ』

「隠し扉でもあるのか?」

 指先で触れると指紋認証をして、開くような近代的なセキュリティー装置を考えていたのだが……。

『そんな便利なものじゃないわ』  

 少し笑いながら、マニが迷うことなく向かった外壁。

 一カ所だけ他のところと違い、目を凝らすと手や足が引っかけられそうな溝が壁の上まで点々とあった。非常事態に備えて設置された、梯子のようなものなのだろう。

『子供の頃、ここを見つけてよく遊んでいたのよ』

 その隙間に指をかけて、よじ登ると、5mはある壁をいとも簡単に登り終える。

 壁の上は足もすくむ高さなのに、マニはその高さから平気で飛び降りたのだった。

 

 建物に向かって走るのも、早いなんてものじゃない!

 世界陸上記録保持者のような速さで植木や四角いコンテナを俊敏に避けて走る――!

 人間は文明が進化するにつれて弱体化していくと思っていたのだが、マニからはそんなことを微塵も感じなかった。


 中庭を疾風のように走り抜け、入口が開いたままになっている建物に入った瞬間! ――館内に警報が鳴り響いた!

 地球のものに比べると、驚くほど――……静かな警報で、音も……優しい音色だった。

 どちらかと言えば、コンビニでお客さんが来たのを知らせるメロディーのような警報音だった……。

「それでも、警報は警報だ! やばいんじゃないか?」

『大丈夫、警備員が来る前に局長室まで間に合う。今の局長って、それほど重要人物でもないから手薄なのよ』


 ……宇宙局長チャコネガルツ……本当に頼りになるような人物なんだろうか……?


 中央に赤いカーペットが敷かれた階段を駆け上がる。

 この建物の中だけは四角い文化以外の、芸術を感じさせる部分が多く取り入れられていた。

 階段両端の手すりが地球のもののように、丸くて握りやすそうだ。


 ナガツキの階段の手すりは全て四角なのだ! 

 握りにくそうで、最初は手すりと気が付かなかった!


『馬鹿! 四角い方が握りやすいに決まってるでしょ!』

 関係ないことを考えていて、また怒られてしまった……。


 二階に上がり、通路一番奥の局長室と思われる大きな扉をあと一歩で開こうとした時――!

 小さな左右の扉が勢いよく開くと、白い礼服を着たような男が二人現れ、マニの右腕と左腕を瞬時に掴む――!

『しまった!』

 あまりの一瞬の動きに、――僕の目には止まらなかった!


 ナガツキの人間は、マニだけではなく男も身体能力が高い! 握られた腕を必死に引っ張り抜こうとするが、振りほどくことができない!


 ――声を出せなかった――


 起きてしまわないように、呼吸を整える。

 こんな緊急事態なのに僕は――必死に落ち着かなくてはいけない。

 ――これからどうなってしまうのだ!  


『こんな夜遅くに宇宙局への不法侵入をするとは! これは犯罪であり反逆行為だぞ!』

 腕を掴んだ男が低い声で言うが、口は動いていない。テレパシーで怒りが伝わってくる!

『女一人でこんなところへ何の用だ!』

『――放せ! 宇宙局長と話がしたい!』

 マニは両手をふりほどこうとするが、掴んだ男達の手は微動だにしない。

『立場をわきまえろ。宇宙局長と話すなら、正規の手順で申請書を提出し、認可が下りてから出直してこい! 宇宙局長は暇ではない!』

『本当は暇だがな――ハーッハッハッハ!』

『ここまでか……クソッ!』

 マニが力を抜き諦めたのが分かった――。


『こんな夜中に騒々しい。何事だ』

 急に中央の大扉が開き、警備員がもう一人出てきた。警備隊長なのだろうか。他の警備員よりひときわ大きく、身長は裕に2mを超えているだろう。

『はっ! 不法侵入者を取り押さえました、副局長殿!』

 こいつが――副局長? 

 目は鋭く大きな体格で、まるで鉄壁のように扉の前に立塞がる。マニを睨みつけると、何かに気付いたようだ。

『お前は、確か――ホワニタ家の残された娘じゃないか! こんなところに侵入してきて何を企んでいるのだ!』

『チャコネガルツに話がある! ここを通せ!』

 マニ! 駄目だ! ここはお願いしてでも通してもらわないと! 

 それに、副局長にでも話せればいいじゃないか……伝わるかもしれない。

『――駄目よ。こいつはノア計画にも反対だった! チャコネガルツに直接話さなきゃ、話は伝わらない!』

 副局長がにやりと笑った。


 しかし――チャコネガルツはどうなのだ?

 ここでは一体誰が味方で、誰が敵なのだ?

 全員が敵なのではないか――? だとすれば、どうしたらいい?


 大扉からもう一人警備員が素早く出てくると、その大扉に――施錠をした。

『よし、これでもう安心だ。誰も局長室に入ることはできない』

 副局長の後ろで大扉の前に立ちはだかる。


 一瞬の沈黙――。

 その沈黙を破ったのは、――マニだった。


『チャコネガルツ局長! 話があります! 聞いて下さい!』

 ――? 

 えっ! 宇宙局長チャコネガルツ? どれが!

 

 局長室に鍵を掛けた警備員こそが……宇宙局長チャコネガルツ本人であった……。

 ――警備員も局長達も同じ服装をしているのだ。地球人の僕に分かるはずがない!


『局長。こいつの目的は局長室ではなくて、局長ご自身です。自室で待機していた方がご安全です』

 聞くや否や、チャコネガルツは鍵を開けようと必死になる!

『局長! 逃げないで! 私です、ホワニタマニです! ナガツキが助かる方法を考えてきたんです。話だけでも聞いて!』

『しゃべるな! 局長と話すのには手順が必要だと言っただろ! 規律も守れんような奴の話などは聞かないんだ!』

 腕を掴んでいる警備員がそういってマニの口を手で塞いだ!

『助かる方法だと? そんなものは聞く必要などない!』

『またノアの時のように失敗する作戦だろ!』

 好き勝手に警備員が叫ぶ。だが局長と副局長は少し興味を持ったようで、チャコネガルツは鍵を開けずに、振り向いた。

 ――今しかない!

 計画だけでも伝えるんだ! 早く!

『惑星サツキに何らかの形で火を点けて移動させ、恒星に衝突させるんです! 成功すれば、恒星は質量の急増加で超新星爆発を起こして中性子星に変わり、ナガツキが飲み込まれるのは避けられます!』


 副局長が――話を続けた……。


『ただし、成功しなければ恒星はブラックホールになり、ナガツキは永遠の冬を迎え、大気はまたたく間に凍り、その後にブラックホールに飲み込まれる。または、超新星爆発などという得体の知れない大爆発に巻き込まれ、瞬時に星ごと砕け散る! その責任を誰が取れるというのだ!』

 ――!

 マニは黙った。誰もが黙ると廊下には静寂が訪れた。

 僕達の考えていた作戦は、――宇宙局でも考えられていたのだ。

『副局長殿! そのような極秘事項を一般人の前で話されては困ります!』

『構わんさ。しばらくはここにいてもらうことになりそうだからな……』 


 それって、囚われるってことか! またマニに辛い思いをさせる気か!


『我々も計画はしていたのだよ。パネルに蓄えられたエネルギーを集束レーザーにし、惑星サツキに照射して核融合を起こさせ、恒星へ衝突させる計画を……。しかし、我々のエゴで星の行く末をこれ以上変えてはならない』

 宇宙局長チャコネガルツが、決して大きな声ではなく、語りかけるように話し始めた。

『我々ナガツキの人間が知恵をつけて数万年。たくさんの生物を絶滅に追い込み、隣の第8番惑星ハヅキをエネルギーパネルへ変えたのは、もう450年も前の話だがな……』

 それはマニにも聞いていた。

『第8番惑星ハヅキには――人間がいたという事実を、当時から宇宙局は一切公表しなかった……』


 ――!

 何だって! 第8番惑星に人間がいた?


『え? そんな話聞いていないわ! 無人の星だったハズよ! ――それじゃ、惑星ハヅキにいた人はどうなったのよ!』

『話ができるほど進んだ知能を持っていなかった。火を起こしたり、獣の肉を食べたり――。エネルギーパネルを作らせるために働かそうという案も出ていたが、そんな知能はなかった』


『当時の宇宙局長が出した答えが……、


 計画の邪魔なら……、――処分しろ。どうせいずれは滅ぶのだ――。


 という厳しいものだった』


『そんな馬鹿な――!』

『残酷過ぎるじゃないか! 我々の祖先は――!』

『――何てことを、何てことをしていたんだ!』

 マニも警備員も、副局長もが知らなかった事実だった……。腕を握り続けている警備員から嗚咽を上げて泣き出す声が聞こえる。

『それから450年が経ち……我々が滅ぶ順番が来たのだ……。これ以上他の星を犠牲にしてまで生きていく資格など、我々にはないのだ……』


 そんな秘密があったなんて……。

 もし地球人がナガツキと同じ境遇にさらされれば、どうする――?



 ――まったく同じことをしていただろう――!

 


『重要機密事項を知り過ぎたな、ホワニタマニ。しばらくはここで暮らしてもらう』

 副局長が近づいてくると、マニを見て急に驚いた! 

『――き、きさま! 右目に細工をしているな、外せ!』

 ――マニの義眼に気付いたのだ!

『きゃー!』

 宇宙局としては義眼が何なのか、恐怖でしかなかったのだ! 盗撮機や盗聴器なら今話した情報が瞬時に広まってしまう恐れがある。

 それは今、小型爆弾以上の恐怖なのだった。


 警備員は即座にマニを廊下に押さえつけ、副局長のゴツイ指先がマニの義眼を引き抜こうと迫り来る!

『やめて! お願い、痛いっ! やめて!』


「――やめろっ!」

 思わず大声を上げると、その場にいない5人目の男の声に驚いた一同が、マニを恐れて離れた――。


 声が……テレパシーでこいつらにも届くのか?

 ――だったら言ってやりたいことが山ほどある!

『誰だ! 何者だ! どこから話しているんだ!』

『警備員を呼べ! 緊急事態だ! 局長は早く地下のシェルターへ隠れて下さい!』


「やめろバカやろー!」


 またしても皆が一瞬にして立ち止まる。

『まさか、その義眼から声が出ているのか?』

『テレパシーではなく、……声が出ているのか?』

 警備員と局長達は、立ち尽くしてマニが立ち上がるのを見守っていた。

「人間なんて……、自分のエゴで生きてるんだ! 滅びたいなら、滅びたいやつだけで勝手に滅びやがれ!」

『――俊!』

『誰だお前は! ホワニタマニではないな?』

 局長が冷静さをよそおってそう言うが、足がガクガクふるえていた。 

「――だが、ナガツキが滅びてしまって、それで宇宙船ノアに乗った人達は納得するのか? マニは両親を失って、片目も失って、それでも生きていこうとしているんだ!」

『しかし我々人間が生き残るということは、これからも破壊、侵略、自分達の身勝手な行動を続けていくことになるのだぞ……』

「――どこの星でも人間なんて、同じことをやっているんだ――。今も昔も変わりなく……。宇宙に散らばっている全ての人間が――」


 恐らくは、同じ悪事を繰り広げている! 


「でも、――それでもだ! 惑星ナガツキが滅べば、惑星ハヅキにいた人たちはどう思う! 無駄死にじゃないか!」

『しかし、だからと言って、他の星の生物、人間を滅ぼす権利など、我々にはない!』

「権利? そんなもの、人間が勝手に自分のエゴで造り上げただけだ。神様でもあるまい!」


「神様」と言った時……全員の顔が斜めに45度傾いた――。通じなかったのかもしれない……。

  

「成功するかしないか、やってみなくちゃわからないだろ! ほんの一握りの可能性、奇跡を何で信じようとしないんだ。何で簡単にあきらめるんだ! マニ一人を助けるためにでも、――星を砕いて見せやがれ!」


 それが正真正銘、――僕のエゴだ――!


 マニがいつも僕に言うことを最後にきっちり言っておいてやりたい!

「人間は野蛮な種族なんだ、昔からもこれからも! 宇宙のどこにいようとも――!」


「俊! 俊!」

 体を急に揺さぶられて――ベッドの上で、目覚めてしまった――!

 電気が点けられた僕の部屋の中――母が心配そうな顔をして覗き込んでいた。

「大丈夫? 急に叫びだしたりして……心配するじゃないの」


 眩しさに、だんだん目が……なれてきた……


 ――!

「――なんで起こすんだよ! 入ってくるなバカやろうー!」


 とっさに掴んだ目覚まし時計を真剣に投げつけた――!

 幸か不幸か母には当たらず、扉に当たって大きな音と共に砕けた――!

「出て行け! さっさと出て行け!」

 枕を投げつけていた!

「――俊!」 

 母は口元を押さえて……部屋を出ていった。

「マニ! マニ! くそっ――!」

 部屋の鍵をかけたが、もう眠れない――。

 マニのことが心配でならないのに――! 知りようがない!


 ガッタン!


 新聞配達が来た時間だった!

「うるさいんだバカやろー! もう少し丁寧に新聞を入れろ!」

 部屋の中から大声で抗議した。


 それから一睡もできなかった――。 


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