超短編集 誰
僕の目の前で自転車が止まった。
「どこ行くの?」
慣れた口調で僕に語りかけてくる。
けれど、僕は2ヶ月くらい思っている
ことがある。
誰なんだろこの人?
全く知らない。
正直怖いし、気持ち悪い。
ちなみに僕は学生とかではない。
なので違うクラスの子かな?って
いう考えも出来ない。
いつも、同じ黒いコートの女の子。
また怖いのが、毎日
同じことばかり語りかけてくる。
「どこ行くの?」
「どこ行くの?」
「どこ行くの?」
本当に怖い。
いつも無視して家に帰る。
無言で帰れば、そこから
ついてこないのである。
「あー、今日も疲れた」
そこで僕は、ふと思い出すことがあった。
そーいえば友達と旅行行った時
暗い山道で話しかけてきた
女の子はどうなったんだろう。
置いてきちゃったしな〜。
「…あっ」