ニチジョウ
投稿が遅くなりすぎて
もはや誰の記憶からも消えながら、
それでも投稿するべし。
読んでくれている方はいるのでしょうか?
それだけすごく心配なまま、
震える手で打ち込んだ(寒かっただけ)
本編を読んでいただけると嬉しいです。
楽しんでいただけるとなお嬉しいです。
ではでは本編どうぞ!
目が覚めると、そこは自分の部屋の
ベッドの上だった。
(…………)
夢オチ?
「イヤイヤイヤイヤッ」
ベッドの脇でおっさんが
何やらわめいている。
(…………)
今日ものどかだ。
となりで鳴り響くアラームをとめて、
現在の時刻をたしかめる。
7時ジャスト
(ああ、寝るか……)
またしても早起きしてしまった。
最近、というかここ一月ほど、
早起きが続いている。
それもこれも全てはこの
脇でわめきたてている謎のおっさんが
人の時計のアラームを
勝手にONにするからだ、
全く不躾なおっさんだ。
これだからおっさんは嫌いなんだ。
こんな奴がいるから戦争が終わらないんだ。
ここからいなくなれーッ!
「あのね、キミ…たぶん心の中で
呟いてたつもりなんだろうけど、
思いっきし声にでてますから。
なんだい?不躾なおっさんって、
まるで人を犬か猫みたいに…
あとね、謎のおっさんじゃなくて
俺には『ロンド』っていう
ちゃんとした名前があるの!
自己紹介したでしょ⁉それから……」
「はい、終了~。アピールタイム終わり」
「ちっがーうッ‼
アピールタイムじゃないよ、
君に対する異議申し立てだよ!
君、俺が案内役だからって
かなりバカにしてるだろ?
自慢じゃ無いけど、
今までの案内役の中で、俺が
一番優秀だって評判なんだぞ?
そんな恵まれた境遇にいるというのに、
君はなにが不満なんだ?
見た目か?
見た目かがおっさんだからか⁈
君は前世におっさんから
陰湿なイジメでもうけてたのか?
おっさんの何がいけないんだ⁉」
「仕事持って来ないとこ」
「うぐッ……」
どうやら言い返せんようだ。
そうだ、何も俺だって
おっさんだからっていう
理不尽な理由でこいつを
ここまでコケにするなんて
そんな酷いこと、
半分くらいしか思ってない。
ついでに俺が嫌いなのは
このおっさんであって、
他のおっさんはどーでもいい。
ただ、つい一月前に
早速仕事だぜ!
とか言っときながら、
今日に至るまで一つとして
仕事などしていない。
悪の組織どころか
ゴキブリ一匹さえ退治してない、
それがもう半分の理由だ。
「あ…当たり前だろ?
世界を救うヒーローに、
そう毎日毎日仕事があったら
悪の組織だって大変じゃないか。
毎日残業まみれで、残業代だけで
ベンツ買えちゃうよ?
それに、困ってる人を助けるのも
自分の部屋のゴキブリ退治するのも
全部君の仕事じゃないか。なんで
俺が探してこなくちゃいけないんだい?」
そうだな、確かに
ヒーローなんだから
困ってる人は自分で見つけて自分で助ける。
ゴキブリは自分で見つけて自分で葬る。
なるほど最もらしいコトを言う。
ならば……
「今から行くか」
「⁈、チョットまった‼」
なんだ、こいつ?
どくべし、俺はこれから
困ってる人を助けに行くのだ。
ついでにゴキブリも殺す。
「そうじゃなくて、いや、
それも大切だけど今はそうじゃないのッ‼」
さんざん人の前で騒ぎまくると
このおっさん、
俺の前に何か紙の束みたいなのを
叩きつけてきた。
「これ、なに?」
………
…………
……………ああ、ダメだ。
こいつは完全に逝っちまってる
主に言うとアタマが。
このおっさんはどうやら
日めくりカレンダーさえも
マトモに認識出来なくなってる。
毎日毎日、ニヤニヤしながら
実に楽しそうにベリベリめくってたくせに、
今はそのカレンダーのことを
あろうことかメンコかなんかと
勘違いしてやがる。
いきなり床にカレンダーを
叩きつけるとはなんて失礼なやつだ、
カレンダーに、いや
日めくりカレンダーに謝れ‼
「ちっがーうッ‼
わかってるよ?しってるよ⁈
コレ、日めくりカレンダーでしょ
知ってますよ⁈ホントに!
そうじゃ無くて、俺が言いたいのは……」
そう言うと同時に、
ビシッとおっさんが
叩きつけられて無様に地に伏せる
日めくり式カレンダーに
死の光線、もといデスビームを放たん勢いで
指をさす。
「はいッ!今日は何月何日?」
………
…………
……………しまった。
9月3日
今日から学校じゃん……。
「てへっ☆」
「うるさいッなにが『てへっ☆』だよもう!
いいからさっさと支度して、
とっとと出発する!」
ああ、ジョークも通じんとは、
いや、ジョーク言ってる場合じゃないな……
仕方ない、ここは一旦退くとしよう。
そして学校へ………。
「いやぁ、流石にムリがあるよ?
伝説と学校じゃあ全くもって接点ないし」
うるさいな、
こっちは遅刻しそうでテンパってんだよ。
ああ、今すぐ学校に体長1500mの
コーカサス大アルマジロとか
発生しないかなぁ……。
「なに?その不思議生物、
大きいってことぐらいしか
わからないんだけど?」
「なんだ、お前コーカサス大アルマジロも
知らないのか?
そんなお前にこれをやろう↓」
※コーカサス大アルマジロとは、
最近、若年層で絶大なブームがオバマ並に到来している、新感覚アルマジロアクションアニメ『今世紀アルンマジロン』に登場する『飼育用アルマジロ型コーカサスアルマジロ』の、栄えある第一号機、もとい初号機の名称。ちなみに、真ん中の『大』は『おお』と読み、二号、三号には『中』や『小』の文字が入る。べつに文字によって機体の大きさがきまるワケではなく、むしろ初号機は1番小さかったりする。四号以降はない。零もない。(実在しません)
「なんだよコレ!
こんなの知ってるわけ無いよッ!」
うるさいな、
文句あんならアルマジロに言えよ。
(はぁ……)
なぜ俺は、ヒーローなのに
朝っぱらからアルマジロの話ししながら、
学校行かなきゃならんのだ?理解に苦しむ。
もうヒーローなんだし、
学校くらい休んでもいいんじゃない?
「キミキミ、それは
ダメだって言ったよね?」
わかってるよ、
俺が英雄ってことは
みんなには秘密なんだろ?
全くなんて不便な設定だ、改編を所望する。
「いいのかい?
その辺改編したら、君は明日から
皆に化け物扱いされるぞ」
………はぁ、
それはそれで困る。
まぁ確かに、
自分の目の前に
キックで怪人吹っ飛ばす輩がでてきたら、
さすがに俺だって逃げる。
そんな奴、危なくて近寄れん。
「ヒーローってのも難儀だなぁ」
そんなコトを呟きながら、
俺は閉まり切った校門を一蹴りで跳び越えて
無事に登校完了だ。
ヒーローなら
学校さぼっていいって訳じゃない。
みんなに秘密にしている
(そういう設定の)せいで、
へたな動きがとれない。
困ってる人を助けるとか言って
へんに学校休んで、
『あれ?峩河きょうも休みか?』
『最近峩河やすみ多いな』
『そういえば、
峩河君が学校いない時って
必ずヒーローが出たって
ニュースでやってるよねー』
『確かに』
『もしかして峩河って……』
『まさか~』
『でも、有りうるな』
『これは確かめるしかないな』
的な感じで、みんなにばれたら
俺は化け物同然に扱われる、
それはイヤじゃ。
なんとしても隠し通す、
「そう、俺は成し遂げる……」
「?、どうした峩河、気でも違えたのか?」
……
………
うげぇ!なんかいた‼
「おいおーい、大親友に向かって
なんかとは冷たいやつだなー。
俺を誰だと思っていやがるッ‼」
鈴原さん家の港くん。
「大正解だチクショー!」
とか言いながら
こちらに飛びついてきたところを
回し蹴りで粉砕され哀れに撃沈したコレは、
「す…鈴原……港、
た……たん…………て」
童貞さ。
「おいぃぃぃぃッ‼
なんだよ!今の決めゼリフ、
『鈴原港、童貞さ』って、バカかぁッ‼」
うるさい、だまれ名童貞。
今まさに目の前で傷害致死が起きているのに
なにをわめいている?
はやく推理をはじめたまえ。
「なんで自ら童貞宣言⁉
目の前で傷害致死おきてるのに?
なんで自ら童貞宣言⁉
いや、そもそも
傷害致死なんて起きてないけどね?
なんだあの回し蹴りは
殺す気で繰り出していたのかい?
あと『推理をはじめたまえ』
とか言っちゃってますけど、
お前は童貞に何を期待してるの?
その辺の童貞には無理でも
名童貞ならいけるとでも思っちゃったの?
だったら残念あてがはずれてるよ!
殺人事件の推理なんて
名童貞如きがしたことあるとでも……」
シーーーーン………
急に話しをやめやがった。
いや、むりもない
周りの人間の目が白いことに
あと三秒はやく気づけたら、
こいつにも未来があったかもしれん。
「鈴原、授業始まってるぞ、
早く席に戻れ、な?」
先生から憐れみ(というか同類を優しくなだめる)視線を向けられ、
「え、違うよ?
ただ時代が俺についてきてない
それだけだよ?違うよ?」
と、わけ分からん言い訳を
ブツブツ唱えながら鈴原は席へ戻った。
その日、鈴原に
名童貞のレッテルが貼られた……。
一限は近代史だ。
となりで泣き崩れる名童貞を難なく無視して
授業をきいていると、
(なるほどな…)
確かに俺はヒーローになってるらしい。
というより、
「~ということでこの世界は今、
悪の組織に狙われ
とても危険な状態なんだ。」
世界はとりあえず変わった。
こんなことを
授業中に平然と先生が語れば、
必然的に信憑性も高くなる。
「しかしここ最近、巷で『ヒーロー』の
目撃情報が増えてきている。
これは、つい五年前に起きた
『英雄再生誕』と、『世界の再構築』に
状況が非常に酷似してるんだ。
つまり……」
「ここにいる俺たちは、
本物でない可能性がある」
「そうだ、その通り。
なんだ峩河、今日はエラく
積極的だなぁ、感心感心」
べつに、感心されるほど
たいしたことじゃない。
ただ確認のために言っただけだ。
「まぁ、あくまで可能性で
しかもほぼゼロだ。
みんな心配する必要ないさ」
しかし、未だにやはり実感していない。
世界がもう一つ創られて、
ここにいる全ての人が偽物で、
俺が世界を守るヒーローだなんて。
だって世界はこんなに平和だ。
あまりにも平然と、
あまりにも平坦と、
あまりにも平和だ。
(つまんねぇ……)
俺はこの時、ここにいる
全ての人に『感謝』したか?
俺はこの時、ここにいる
全ての人に『謝罪』したか?
当たり前でありがとう、と。
わがままに巻き込んでごめんなさい、と。
していない
思い返せば、この何気ない日常は
俺にとってとても大切なものだったんだ。
この日常を守ることが、
俺がするべき一番の『仕事』だったんだ。
いるのかいないのか……
読んでくれてありがとう!
最近投稿してなくて、
多分もう誰も読んでないけど
ありがとう。
そしてすみません。
投稿遅くてすみません。