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チュウコク

今回結構気合入れましたッ!

楽しんでいただけると嬉しいです。


それでは、本編どうぞ!

目が覚めると、

そこは自分の部屋のベッドの上だった。

(…………)

夢オチ?

イヤイヤイヤイヤ、

まて、そして落ち着け俺、

俺、落ち着くんだッ‼

今時夢オチなんて、

小学生にも流行らんだろッ‼

最近のB級ホラーだって、

もう少しマトモなオチ用意してるよッ‼

いや、俺B級ホラーなんて

観たコト無いけど……。


そうじゃ☆ねぇだろッ‼


俺とB級ホラーがどうとか、

全然聞いてねぇよッ‼お呼びじゃねぇよッ‼

いいか、俺は今しがた

英雄に成りたいか?

的なコトを聞かれたんだ。

そして俺は成りたいと答えた。

そしたら目の前が急に真っ白に…

気がついたら俺の部屋。

(………)

夢オチ?


断じて否ッ‼


俺はヒーロー、俺はヒーローだ。

そうさ、信じて十回唱えるんだ、

私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー私はヒーロー

イエスッ!アイ・アム・ヒーローッ‼

ふぅ、これで良し。

これで俺は、誰がどう見ても

英雄の英雄による英雄のための英雄

に成れたはず……。

いや、英雄のための英雄って、

英雄は皆のための英雄だろ。

なんで英雄が英雄のために

英雄やってんだよ、馬鹿か?

……

………

…………

ああ、風が気持ちいい…。

時刻は午前6時32分。

いつもは7時ジャストに起きるため、

若干早めの起床だ。

主人の目覚めがよろしかったために、

アラームを鳴らし損ねた目覚まし時計が、

枕の横に拗ねた様に転がっている。


…………………………………………………。

流石に無理か。

今更さっきからの取り乱しを

普通の日常的風景で誤魔化そうなんぞ、

というか、なんだ?風が気持ちいいって

部屋の中だっていってんだろ。

窓も開いてないしエアコンもついてないし。

(………ハァ)

もうやめよう、

幻想をいつまでも引きずるのは。

俺ももう大人だ。

「さ~て、仕度しなくちゃ。」

軽く伸びを入れてと…

大人と言っても、俺はまだ高校生だ。

最近就職難らしいし、

高校くらいでとかないと

後がないらしいからな。

「よっこら聖○士星○。」

我ながら下らないシャレをかましつつ、

ベッドからおりる。

季節は冬。

言い忘れていたが、ここは学校の寮なんだ。

しかも、あまり設備が整ってない。

さっき言ったエアコンついてないってのも、

電源入ってないって意味じゃなく、

本体が何処にも見当たらないって

意味だった訳だ。そんな感じで、

夏は汗が止まらず、

冬は布団から出たくない。

といった、抗いようもない

人間の本能の中枢に根づく、

七つの大罪にも似た何かが

日々生徒の精神を蝕む………

「あれ?」

ふと違和感、いや、

もっと具体的に言うなら《汗》が

俺の背中を滝の様にダバダバ伝う……、

いや、よく見たら全身汗だくだった。


今は冬


確かに冬のはずだ、

昨日までは寒かったんだ。

そりゃもう、

霜焼けナイトフィーバーと言っても

過言ではない位に。

しかしなんだ?

この身体に貼りつく湿気、

部屋中を覆う熱気、そして汗。

(………ッ‼)

俺は急いで携帯を手にとる。

くそ、汗で手がすべる!

(昨日は一月三日、なら今日は…ッ‼)

一月四日のはず、

そう期待して開いた携帯には、


七月二十八日


………あり得ないそんなバカな。

寝てる間に頭を打ったか?

それで記憶が曖昧になったとか…

それにしては、昨日の記憶が鮮明過ぎる。

昨日だけじゃない、一昨日も、先週も、

はっきり覚えてる……。

「これって…」

間違いない、近代史でもやった、

記憶にない世界の変化。

別にそこまでファンタジックじゃない、

気に留める程じゃない変化、しかし

明らかに昨日までの世界から

逸脱した世界が現れる現象。

これは………


「そう、"現実世界"の再構築だ。」


………何?

なんかもう何?


「ずいぶん待たせてくれたね。

気付くのおそいよ?英雄君。」


皆、落ち着いて聞いてくれ。

多分何言ってるか解らんだろうし、

俺だってなんなのか解らん。

ただ、目の前に、

白い甲冑を着込んで

赤いマントを羽織った、

あからさまな騎士感漂う

神話の世界の英雄みたいな、

そんなおっさんがいる。

「おっさんとは失礼だな、

俺はまだ四十五だぞ。」

おっさんじゃんッ‼

全然余裕でおっさんじゃんッ‼

「ふむ、そういう君も

なかなか余裕そうだな。」

え?どこが?

今の俺に余裕があるなら、

デビルな果実を食べた人が

海に飛び込んだところで、

全然平気な顔しますよ?

いや、いい勝負か…。

「君、ずいぶん余裕あるね。

流石の俺も驚きを隠せないよ。」

…………

確かに、

逸脱した世界になるとは聞いてたけども、

「逸脱し過ぎだろ……。」

「おいおい、さっきから君は

人の顔見るなり、

おっさんだとか、逸脱し過ぎだとか、

礼儀がなってないよ、全く。

それにほら、

もう少し何か言うコトあるでしょ?

例えば、お前は誰だ?とか、

何そのイカした鎧は?とか。」

いや、顔もそうだが、

それも含めて全体的な感想だったんだが。

あとその鎧あんまイカしてない。

というか、こいつ絶対構ってちゃんだよ、

もう全身から質問してくれオーラでてるし。

質問するまでここから逃がさんッ‼

みたいになってるよ、めんどくさい。

んまあ…とりあえず、テキトウでいいか。

「お前は誰だ。」

「何そのやっつけ仕事みたいな聞き方ッ‼

あまりにもテキトウッ‼

もっとインパクトというか、

リアクションというか、

そういうの欲しかったなぁ……。

でもまぁ、

聞かれたからには答えるのが

礼儀ってもんだよね、

それじゃあ、答えてしんぜようッ‼」

こいつ前置き長いな、

もう聞かなくていいかな?

というか、四十にもなってこのノリは

若干以上にドン引きだ。

「俺は、まぁ、アレだ、

この世界における君の案内役、

みたいなもんだよ、多分。

ほら、RPGとかで最初に戦い方とか

教えてくれる、教官みたいなやつ的な。

いきなりヒーローやれったって、

何すればいいか解らんでしょ?

だから俺は解説しに来たんだ。」

前置き長い上に応えがテキトーだな、

しかしまぁ、

こいつのナンセンスな格好は、

今のでだいたい納得いく。それに、

確かにいきなりヒーローだとか言われても、ぶっちゃけ

何すりゃいいか解らんというのは一理有る。

というか、

「俺、ヒーロー成れたん?」

「はい、もうバリバリで。」

……

………マジか。

嬉しい、けど悲しい。

主に、案内役が。

「君、先程から俺に対する扱いが、

エライ辛辣なんですが?」

気のせいというコトにして、

「早速質問なんですが。」

「そんな百獣の王が御機嫌ようの、

質問ロボットみたいのいいからッ‼」

お前のツッコミの方がどうでもいい。

「あ、そぅ。んじゃ、

気を取り直して、質問どうぞ。」

「俺は何すればいい?」

「またエライ直球だね…。

そうだね、君は今日から

悪の組織と戦う正義のヒーローを

しなくちゃいけない。

端的に言えば悪の組織を倒せばいいんだ。」

「成る程な……。」

ストレートで解りやすい。

んじゃ、次の質問。

「その悪の組織ってのは、

何処から出てきた?」

「それは、君も良く知ってるだろ?

世界にヒーローを再生誕させるために

理由作りしなきゃいけないんだ。

何もない所に、特別な力を持った

存在が居たら不自然だからね。」

ああ、

近代史の授業の

英雄再生誕のとこでやったな。

近代史の授業なんて、

そこ以外興味なかったし

英雄関連のことなら有る程度覚えている。

んじゃ、次。

「再生誕ってことは、

俺は一回死んでるのか?」

これは授業じゃ教われん。

「死んでる、とは、少し違うかな?

君の存在をその世界から一度リセットして、

英雄として新たに世界に書き込んだんだ。

そして、

君に英雄というパラメータを追加するために

世界に悪の組織を作る必要があった。

君を英雄足らしめるためにね。」

成る程つまり、俺は自分の都合で

世界を変えちまったって訳か。

それはヤバイんじゃないか?

「う~ん…まぁ、

ヤバイと言えばヤバイんだけど、

実はそうでも無いというか…」

?話がみえん。

「いや、世界を変えたんじゃなくて、

新しい世界を創って、そこに

君が英雄として書き込まれたんだ。

ちなみに、元の世界が

現実世界

で、今の世界が

"現実世界"

なんだよ、解るかな?」

ああ、つまり、

今俺がいる世界は別世界、

いわばパラレルワールドだと?

「まぁ、そんなとこ。」

そうか、じゃあ、こっちの世界は

ゲームみたいなもんなのか。

「それは違うよ。

こっちの世界の人達だって

皆生きてるんだから。

それに、現実世界と"現実世界"は

少なからずリンクしてる。

こっちでのミスは、そのまま

向こうに伝わると思った方がいい。」

そうか、失言だったな、以後気を付ける。

「解れば宜しい。ということで、

無駄話はこれまで、早速仕事しないとね。」

そうか、そうかそうかそうかッ!

何だなかなか

ヒーローっぽいじゃないかッ‼

シチュエーションは最高だな。

それにあいつがさっき言ってた、

《特別な力》

それって、ヒーローの力だよな?

皆を救う、正義の力。

それが有れば、全てを守れるんじゃないか?

あの時守れなかった、

奪われたモノも、全部………


脳裏に浮かぶ映像は、

忘れられないあの光景。

赤く紅く塗り潰された、

俺の日常、小さな幸せと大切な家族。


もう誰にも、あんな思いはさせない。

もう何も、失わないで済む。

もう誰も、泣かないでいい。

そうだ、もう俺は、


無力じゃないッ‼


「いいね、燃えてきた……ッ!」

力は人を狂わせる。

「うん、その息だ、ずいぶん頼もしいよ。

あ、あとそれから……」

(これでやっと…)

「コレだけは覚えておいて欲しい、

この世界の人達は…」

あいつが何か言っている。

だけど、俺の耳には入らない。

(これで俺は、解放される。)

「君の都合で生み出され、

君の都合に巻き込まれ、

君の都合で殺される…」

狂った俺には、もう何も聞こえなかった。

(今俺は世界だって救える…。)

(俺は無力から解放される。)

「君の都合の、《被害者》なんだ。」

(俺は…、ヒーローだッ‼)


力に狂った幼き少年は、こうして

最後の忠告を聞き逃した。





あれから、もうずいぶん経つが、

今でも後悔する。

コレを聞いとけば、もう少し

違う結果があったかもって、

そう思わずに、いられない。




夏休みももうすぐ終わりだ……。









誤字脱字が多そう、とか

文脈とか大丈夫かな、とか

色々不安が残るなか、それでも投稿。

まあ、どうせ誰も読まないし、

これだから空気はやめられないぜ!

ワハハハハハハッ‼


こんなとこまで読んでくれた人

本当にありがとうッ‼

m(_ _)m

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