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神に賢者の知識と更にチート貰って異世界転生した。賢者の知識で普通に地球に戻れるんですが?  作者: だい


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第14話:海辺の密約と、決別

フロンティアのチートビルから少し離れた、広大な敷地。

 そこは、忍者屋敷が建つはずの場所だ。


 異世界の土台の上に積み上げられた、この世界で調達した木材や石材が、整然と並びながらも、まるで時が止まったかのように静まり返っていた。


「また搬入を止められました。今回は『道路の安全基準に満たない荷車の通行』を理由に、検問所を増やされたそうですぜ。」


 ガンドからの報告に、ダイキチは腕を組み、不機嫌そうな表情を浮かべた。


 地球製の資材ならばアイテムボックスで一瞬にして運べるが、忍者屋敷建設に欠かせない現地の熟練職人と、彼らが扱うこの世界の資材が、王都の貴族たちによって執拗に止められていた。


 それは、単なる嫌がらせではなく、彼らの事業を完全に封じ込めるための明白な敵意であった。


「王都の貴族どもめ、本当に懲りないな」


 ダイキチはそう吐き捨てると、図面の束をテーブルに置いた。

 もはや彼らのルールの中で遊ぶのは、退屈でしかなかった。

 唐突に彼は言った。


「やーめた」


 ダイキチは決断した。


「やめやめ、こんな連中が支配する国に、俺たちが最高の遊び場を作ってやる義理はないわ。奴等のルールの中で遊ぶのは、もう飽きたしな」


 ダイキチはガンドをまっすぐ見た。

 その瞳には、すでにこの国への未練は一片もなかった。


「ガンド、忍者屋敷の建設は一時中断だ。地球からこの国に転移しただけで、思い入れも無いしよ。俺たちは撤退するぞ。」


 ガンドは動じることなく、低い声で応じた。


「御意。すぐに移転の準備に取り掛かります」


 ダイキチの決断は早かった。

 彼は単身で周辺国を探索したが、その動機はあくまで「面白さ」と「新しい遊び場」の追求にあった。


「どうせなら、色々な国や人と外の世界(地球)を結ぶ『窓』としての機能がある場所がいいなあ。海と港があれば、地球からの物資の持ち込みや、新しいエンタメ文化を拡散するのに便利だし、単純に海好きだしな!」


 そして、最終的に彼は、その全ての条件を満たした港湾国リーベラを選んだ。


 ダイキチは迷わず、リーベラ王国の港湾都市の広大な海沿いの土地を購入した。

 そして、誰も見ていない早朝、アイテムボックスの力によって、ログハウスとチートビルを出現させた。


「よし、ここをリーベラ王国拠点とする!!しばらくはここを拠点に、遊ぼうかな。」


 ダイキチの計画は、このリーベラにチートビルと、新たに作る忍者と日本のテーマパークにガンドを置き、彼自身は色々と各地を見て楽しもうかという、相変わらず飄々としたものであった。


 その報は瞬く間にリーベラ王国の王族の耳に届く。

 そして、噂を聞きつけたリーベラ王国の王女カレンが、ダイキチの元を単身訪れた。


 ログハウスの一室で向かい合った王女は、この国の弱さや、周囲を大国に囲まれている政治的な脆弱性について、正直に打ち明けた。


「貴方様の商売がもたらす豊かさと、そして何よりも『災厄の賢者』様の庇護が、今、この国には必要です。どうか、もしものことがあれば、この国に手を貸していただけませんか?」


「フーン、俺は面倒なら誰が相手でも叩き潰すよ。でもさ、この国を庇護する理由もメリットも無いけど?」


「わ、私は今日は一人で伺いました。私にそのような価値があるとは思っておりませぬが、わが身以外差し出せるものがございませぬ。どうかこの身をもってお慈悲をいただけませぬか?」


 ダイキチは、自分の身を差し出しても国を守ろうとする、王女カレンの真摯な決意を気に入った。


「ハハッ、うん、その決意、気に入ったわ。いいよ、俺たちはしばらくここを拠点にする。何か面倒なことがあったら、「ダイキチがこちらに手助けする」って言えばいいよ。この国には、うちの連中も世話になる予定だし、面白い範囲で手助けしてやるから、そんなに思いつめた顔するなって」


 王女との手助けの約束を交わした後、ダイキチはフロンティアへ戻った。


 フロンティアのチートビル跡。

 従業員たちや、ダイキチについていきたいと希望した客、総勢約50名が、移送用のバス二台の前に集まっていた。


 ダイキチは、貴族会員への対応や顧客への最終説明を済ませ、移送の最終準備を整えた。


「みんな、準備はいいか? 港湾国リーベラへ行くぞ!」


 従業員たちの歓声が上がり、彼らがバスに乗り込もうとした、その瞬間であった。


 王都から派遣された役人と騎士団の一団が、怒号を上げながら乗り込んできた。


「待て!国王陛下の命令だ!国外への移動は禁止する!この従業員どもは全て、国の資産として拘束する!」


 騎士団が剣を抜き、従業員を囲もうとする。緊張した空気が一気に張り詰めた。


「コラ、うちの人間を国の資産、だと?」


 ダイキチの声は、静寂そのものであったが、その場にいた全員の動きを止めた。

 その声には、もはや怒りを超越した、冷たい嘲笑が含まれていた。


 ダイキチは一歩進み出ると、命令を下した役人の顔を掴み、その体を地面に叩きつけた。

 騎士団はガンドの威圧感に足がすくみ、誰も動くことができない。


 ダイキチはガンドを含む他の三名の仲間を見据えた。


「ガンド! 計画変更だ。先にアイツらを潰してから行くぞ。王様を直接〆て、王都から派遣された騎士団に国境まで護衛させるぞ!」


「御意!」


 ガンドが力強く応じる。


 ダイキチ、ガンド、そして他の二人は、王都への制裁行動を開始するため、まずは王都から派遣された役人を処理する。


 すでに前回の襲撃時に警告済のために、何も言わずに王城の100メータ上に転移させる。

 王城では大騒ぎとなるだろうから楽しみだ。


 騎士団は後で護衛させるので、まずは土魔法で固めておく。


「さあ、新しい場所で頑張るぞ! その前に、ちょっと掃除が必要みたいだがな!」

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