第十二話:極楽と、ミリアの決意とガンドの決意
――北海道・新千歳空港
東京での仕入れツアーと、ダイキチの「夜の快楽ビジネス」計画破棄という騒動を経て、ダイキチ一行は北海道に到着した。
転移魔法を使えば一瞬だが、ダイキチは「横着な旅のムード」を重視し、あえて飛行機での移動を選んだ。
機内で、ダイキチの隣に座ったミリアは、終始無言だった。
シーナは通路を挟んで座っているが、視線はダイキチに向けられていない。
「あのさ、ミリア。そんなに怒るなよ。あれは、『異世界を最高の快楽で満たしてやる!』っていう、横着で壮大な夢だったんだぜ?」
ミリアは顔を向けずに答える。
「主が、私たちが体を張って築いた『サロメ』の信用を、下世話なビジネスで汚そうとしたことが許せないの。それに、私が、貴族の奥方様たちが嫉妬するほど美しくなったのに、他の女の所に行くなんて……」
シーナがそっと口を挟む。
「ダイキチ様の考える『快適』は、たまに『面倒』に変わります。私たちの仕事は、その面倒を未然に防ぐことだと再認識いたしました」
結局、ダイキチは札幌でミリアとシーナが気に入った宝石店に入り、特注の高級リングを贈ることで、どうにか和解を取り付けた。
ガンドは、飛行機から見える銀色の海と雪景色に感動しきりで、騒動には気づいていなかっ。
――登別温泉・極楽の湯
札幌での機嫌取りを終え、一行はレンタカーで登別へ。日本の誇る『温泉』という究極の快適チートが待っている。
「うわぁ!なんだこりゃ!硫黄の匂いがすごいぜ!」
硫黄泉の湯船に浸かったガンドは、雄叫びを上げた。
「主さま! こんなにも体が軽くなるのか! 異世界の温泉なんて、ただのぬるま湯だぜ! これこそが、真の生命力回復の魔法ですぜ!」
ダイキチも露天風呂で雪見酒を楽しむ。
「だろ?これが科学と自然のチートだ。『面倒な貴族の支配』とか、『夜のビジネス』なんてどうでもよくなる。すべては、この緩くて最高に気持ちいい瞬間のためだ」
ミリアとシーナも、肌がすべすべになる日本の温泉の質の高さに感動していた。
特にミリアは、ダイキチと肩を並べて客室露天風呂から雪を眺めながら、改めて心を決めた。
(ダイキチの『緩い生活』を邪魔する存在…王都の刺客たち。この至福の瞬間を脅かす『面倒』は、私が断ち切る。例え、それが王国の騎士団であろうと――)
――海鮮グルメと観光チート
温泉で体を解きほぐした後、一行は海鮮料理屋へ。
目の前に並べられた新鮮なカニ、ウニ、イクラを見て、異世界組は言葉を失った。
「馬鹿な……こんな、宝石のような食べ物が、本当にこの世に存在するのか?」
ガンドは恐る恐るウニを口に入れる。
瞬間、彼の目から涙が溢れた。
「う、美味すぎますぜ、主さま! 俺、今まで食ってたものって、一体……」
ミリアとシーナも、カニやイクラに感動している。
俺は、生きているカニの写真を二人に見せた。
「こ、これは蜘蛛の魔物ではないでしょうか?!」
「フム、確かに、カニは蜘蛛とは近縁だという人間もいる。
でもな、日本人はこう思うんだ『 旨けりゃいい
――北海道・新千歳空港
東京での仕入れツアーと、ダイキチの「夜の快楽ビジネス」計画破棄という騒動を経て、ダイキチ一行は北海道に到着した。
転移魔法を使えば一瞬だが、ダイキチは「横着な旅のムード」を重視し、あえて飛行機での移動を選んだ。
機内で、ダイキチの隣に座ったミリアは、終始無言だった。
シーナは通路を挟んで座っているが、視線はダイキチに向けられていない。
「あのさ、ミリア。そんなに怒るなよ。あれは、『異世界を最高の快楽で満たしてやる!』っていう、横着で壮大な夢だったんだぜ?」
ミリアは顔を向けずに答える。
「主が、私たちが体を張って築いた『サロメ』の信用を、下世話なビジネスで汚そうとしたことが許せないの。それに、私が、貴族の奥方様たちが嫉妬するほど美しくなったのに、他の女の所に行くなんて……」
シーナがそっと口を挟む。
「ダイキチ様の考える『快適』は、たまに『面倒』に変わります。私たちの仕事は、その面倒を未然に防ぐことだと再認識いたしました」
結局、ダイキチは札幌でミリアとシーナが気に入った宝石店に入り、特注の高級リングを贈ることで、どうにか和解を取り付けた。
ガンドは、飛行機から見える銀色の海と雪景色に感動しきりで、騒動には気づいていなかっ。
――登別温泉・極楽の湯
札幌での機嫌取りを終え、一行はレンタカーで登別へ。日本の誇る『温泉』という究極の快適チートが待っている。
「うわぁ!なんだこりゃ!硫黄の匂いがすごいぜ!」
硫黄泉の湯船に浸かったガンドは、雄叫びを上げた。
「主さま! こんなにも体が軽くなるのか! 異世界の温泉なんて、ただのぬるま湯だぜ! これこそが、真の生命力回復の魔法ですぜ!」
ダイキチも露天風呂で雪見酒を楽しむ。
「だろ?これが科学と自然のチートだ。『面倒な貴族の支配』とか、『夜のビジネス』なんてどうでもよくなる。すべては、この緩くて最高に気持ちいい瞬間のためだ」
ミリアとシーナも、肌がすべすべになる日本の温泉の質の高さに感動していた。
特にミリアは、ダイキチと肩を並べて客室露天風呂から雪を眺めながら、改めて心を決めた。
(ダイキチの『緩い生活』を邪魔する存在…王都の刺客たち。この至福の瞬間を脅かす『面倒』は、私が断ち切る。例え、それが王国の騎士団であろうと――)
――海鮮グルメと観光チート
温泉で体を解きほぐした後、一行は海鮮料理屋へ。
目の前に並べられた新鮮なカニ、ウニ、イクラを見て、異世界組は言葉を失った。
「馬鹿な……こんな、宝石のような食べ物が、本当にこの世に存在するのか?」
ガンドは恐る恐るウニを口に入れる。
瞬間、彼の目から涙が溢れた。
「う、美味すぎますぜ、主さま! 俺、今まで食ってたものって、一体……」
ミリアとシーナも、カニやイクラに感動している。
俺は、生きているカニの写真を二人に見せた。
「こ、これは蜘蛛の魔物ではないのでしょうか?!」
「フム、確かに、カニは蜘蛛とは近縁だという人間もいる。
でもな、日本人はこう思うんだ『 旨けりゃいい』ってな。なんせ、食べたら死ぬ魚を何人も死んでるのに食べる国なんだからな。」
「なぜ其処まで?食べるものが不足してたのですか?」
「いや、周りは海で魚も豊富だった。でも『 食の変態』と言われてる国だからな。こんなのもあるぞ。」
「これは、牛という乳や肉を取る動物では?」
「うん、でもこの『 松坂牛』ってのはな、子一頭づつ専用の牛舎でビールまで飲ませたりしながら、育てる高級牛でな、値段は最高が一頭がなんと金貨5200万枚だ。」
言葉を失っている三人に、札幌で松坂牛を食べさせてやる約束しながら、ダイキチは、ウニ丼とビール味わいながら言った。
「これが食のチートだ。さて、エネルギー充填完了だ。明日は、異世界のエンターテイメントビジネスに活かせそうな『知恵』を仕入れるぞ」
翌日、一行はクマ牧場とのぼりべつ伊達〇代村へと向かった。
クマ牧場では、ミリアとシーナが餌をねだるクマの愛らしさに笑顔を見せる。
そして時代村では、日本の江戸時代の文化を再現したショーや建物を見て、ダイキチが新しいビジネスの着想を得た。
特に、忍者ショーを見たガンドは、異様な熱狂を見せた。
「な、なんだ、あの動きは! 主さま! あれは魔力を使わぬ異世界版の暗殺術でございますか!? 拙者の今までの戦闘は、なんと野暮でござる! 拙者、あの黒装束の動きを習得したいでござる!」
ガンドは、戦闘奴隷として培った技術を、忍者の技と結びつけ、目を輝かせて熱狂した。
興奮のあまり、彼の口調は既に侍と忍者が混ざったような変なものに変わっている。
ダイキチはそのガンドの熱狂ぶりに、新しい暇つぶしの可能性を感じた。
「よし。エンターテイメントビジネスは、漫画喫茶だけじゃもったいない。異世界の庶民や子供に、『地球の歴史と文化を再現したテーマパーク』を造るのも面白そうだ。歴史を再現した『侍ショー』とか、ガンドが棟梁をやれる『忍者屋敷』とか…」
ダイキチの頭の中では、王都の刺客への警戒心よりも、次の仕掛けへの興味が優っていた。
――フロンティア・領主館・同頃
その頃、フロンティアの領主館では、王都から派遣された魔導騎士団のエースと暗殺者たちが、消えたログハウスとダイキチの居場所を巡って、怒り狂っていた。
領主は、ダイキチからの「貴族会員権剥奪と夫人の美貌即時停止」という恐喝めいた手紙を思い出し、冷や汗をかきながら、彼らの追及をのらりくらりとかわし続けていた。




