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異世界転生するまで①

これは異世界転生に至るまでの物語です。


「をのねの先生が執筆した最高傑作、"華の季節は後2年"がついに大賞をとりました!先生、今のお気持ちはどうでしょうか?」

「そうですね、私は小さい頃から有名な小説家になるというのがものすごく大きな夢でしたので、今叶えられたのが言葉に表せない程嬉しいです。」

「ありがとうございます。語彙力の天才と呼ばれている先生でも言葉にできないのですから、相当嬉しいのでしょうね。」

まもなく、お写真の時間になります。皆様は、アナウンスの指示にしたがって…


「あぁ〜疲れた…。」

「お疲れ様です、先生!ご帰宅手段はどのようになさいますか?」

「んー、今夜帰ったら危ないだろうし今日は泊まって明日帰るわ。」

「承知しました。すぐにお部屋を手配しますね。」

「助かるわ、ありがとう。」

「礼には及びません。」


今日はものすごく疲れた。

子供の頃は小説家になりたいと言っても苦笑されるだけだったが、それを乗り越えて大賞をとることができてものすごく嬉しい。

まだ実感がわかないくらいだ。

しばらく部屋で休んでると、急にインターホンがなった。

「はーい、誰ですか?」

「マネージャーの西原です。明日の帰宅手段が決まり次第フロントまでお電話ください。」

「分かった。」

「ご連絡お待ちしております。失礼しました。」

「はーい。」

俺のマネージャーはとても丁寧だ。

日常的な会話なんてしたことがない。いつかは仲良く話せるようになるのだろうか…。


【翌日】

「おはようございます、先生。昨夜お選び頂いた交通手段で帰りますので、少々お待ち下さい。」

「…はい。」

別に車で帰ることくらい言葉にしても良いと思うんだけどな…。

やっぱり俺のマネージャーは注意深い。

まあ、それで助かっていることもあるのだろうが。

「先生、準備が整いましたので周りに気をつけながらついてきてください。」

「はい。」

この時、俺はどこかに違和感を感じた。

声や顔ではなく、もっと違う場所にだ…。

そして、この違和感はやはり間違いではなかった。

「さようなら、先生っ!」

「…っ!」


「きゃぁぁぁぁぁぁぁ!誰かっ、救急車!」


そうか、この違和感は他でもない"殺気"だったのか。

こいつは、西原は、俺のファンだったからマネージャーになったはずなのに…。

俺を殺すためになったのか?

…そういえば、会話をしようとしていたのは俺だけだったな。そうか、俺はずっと嫌われていたんだな…。

大賞、とったばかりなのにもう死んじまうのか…。俺は悲しいよ…。



「…たっ、しょうたっ!起きてよ…。」

ん…?俺の本名…?なんで知ってるんだろ。

俺、西原にさされて、救急車で運ばれて…。

「バッッ!かあ、さん…?かあさん!」

「っ!しょうた!誰か、お医者さんをよんでっ!」

「院長、根尾翔太ねおのしょうたさんが目を覚ましました!」


ピッピッピッピ…

これは俺の心拍数か?

「先生、先生っ、翔太は助かるのですか?」

「最善を尽くしますが、助かるかどうかは…。」

「どうか、どうか翔太を助けてくださいっ!」

「最善を尽くします…。」


ピッピッピッピッピーーーー。

「助からなかったか…。」

「しょうた、しょうたぁぁぁぁぁっ!」

読んでくださりありがとうございました。

異世界転生までの物語はこの後も続きますので、そちらも読んで頂けると幸いです。

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