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『青春はゲームじゃない』  作者: いろは菓子
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51話 「活躍」

「みんなごめん!」


 戻ってきたはてな先輩は、いつもの服装で皆に対し頭を下げていた。


「ちょっと感情的になっちゃって、何も言わずに抜けちゃってごめんね。雰囲気悪くしちゃってたし。もう落ち着いたから大丈夫。」


「大丈夫っすよ。俺もなんか話しづらい雰囲気作っちゃってましたし。元気になってくれてよかった。」


信彦がなんてことはない、とはてな先輩が元気になったことに安堵を示す。


「はてなさんが落ち込んでて心配してたけど、もう大丈夫みたいでよかった。クロもたまにはいい事するね。」


「たまにはとはなんだ、たまにはとは。」


 サヤの軽口にツッコむ。場の雰囲気も大分柔らかくなった。

 皆嬉しそうだな。やっぱり明るくないとはてな先輩らしくないし、心配があったのだろう。いつも通りって感じだ。


「実際クロ君のおかげだよ。上手くいきすぎてて焦ってたみたい。いきなり全部完璧なんて都合のいい話ある訳ないのにね。」


「いや、でも実際このチームは凄い順調だと思いますよ。フランダルは初戦敗退とは言え、予選を勝ち抜いてきたチームですし練度にかなり差があった。その中であんなに戦えた訳で。そもそも初日から決勝まで進んでるのがもうおかしいんですって。」


 ツキノがそう力説する。

 立花さんの言うことはもっともだ。

 感覚が狂っているかもしれないが、普通はきっとこんなに勝てるものじゃないだろう。勝ちすぎて感覚がバグっている。


 それぐらい、この人達本当に強すぎるんだよな。

 信彦も伽耶も才能に溢れてる。

 だが、それでもフランダルという上がいたんだ。そしてそのフランダルですら、本戦では初戦敗退だという。

 想像以上に壁は高いらしい。


 もちろん、そこまでトントン拍子で上手く行くとは思っていないが、ここまで険しいものになるとは。

 目標は高いに越した事はないというが、先は長いな。

 時間は限られている。無駄にしていられるほど余裕はない。


「まぁ、確かにね。まずは準優勝を喜ぼうか!みんな、お疲れ様!!」


「「「お疲れ様です!!!」」」


 はてな先輩の声に合わせ、今日という日のお互いを労い合う。

 そして話題は、各々の一番活躍したシーンへと映っていった。


「にしても先輩!準決勝のあの2対1勝つのヤバすぎません??対策されてたのを真正面から打ち砕くとかホントいかれてるとしか思えない。」


「ふふんっ。私を舐めてもらっちゃ困るよ。あのレベルの相手だったら私一人で充分破壊できちゃうもんね。そういう彦丸君も決勝でめちゃくちゃいい動きしたんだってね。結果は上手く行かなかったみたいだけツキノちゃんが褒めてたよ。」


信彦はどのシーンかと思い返し、あれかとそれらしいシーンを思い出す。


「いや、あれはいい感じに相手の後ろを取れてガードを外させる事が出来ただけで。俺一人じゃやっぱりまだ攻め手にかけるって課題が見つかりました。」


 信彦とはてな先輩がお互いの良かった所を褒め合う。

 反省会という雰囲気ではなく、明るく今日の戦いを振り返っているような感じだ。


「彦丸君の本領は守りだからね。実際サヤちゃんも最後彦丸君が落とされるまでは守り抜いてたんでしょ?凄い優秀なタンクだと思うけどな。」


「へへっ、もっと頑張ります!」


 はてな先輩に褒められ、嬉しそうに信彦が笑う。

 はてな先輩から褒められるのは嬉しいよな。いや、まぁ誰からだって褒められれば嬉しいのだがはてな先輩は特別だ。


「サヤちゃんも魔法の威力大分上がってたね。あの杖を使いこなし始めたって事かな。」


「もう大分慣れました!あとはもっと精度を上げれば絶対力になれるはず。」


「うんうん。期待してる!また私も教えてあげるし!」


「わぁ!お願いします!」


 そういえばはてな先輩は伽耶にも教えてるんだったな。剣だけじゃなく、一通り魔法まで暗記してるなんて相当の変態だ。

 もちろんこれは褒め言葉。


 実際、伽耶の魔法の威力はかなり上がってたしな。特に、遠距離から一方的に攻撃できる状況。その状態の伽耶は異常だ。強すぎて、絶対フリーに出来ない。


「それからツキノちゃん!今日の一番の功労者と言ってもいいんじゃないかな。全試合の作戦を考えてくれてありがとう!凄く安心感あったし最強だった。お疲れ様!」


「確かにずっと作戦を考えてくれたのは助かった。どう動けばいいとか、指示も的確だったし自信を持って動けた!やっぱ流石だな。」


「それな!功労者っていうのも納得だよ。ツキノさんありがと!」


 皆から褒められて、照れ臭そうに横を向くツキノ。


「ありがとう‥‥ございます。」


 いつもクールで気取っている雰囲気だが、こんな風に褒められるのは嬉しいんだな。

 思わずクスッと笑みがこぼれる。

 それを見て、少しムッとしたような表情に引き締め直すのもツキノの中身を知っていれば可愛らしいものだ。


「クロ君もね。私にちゃんとついて来てくれてたしもっと練度を上げれば格上にだって勝てるようになるよ。容赦なくしごいていくからね?」


「望む所です。」


 もう負けたくないと言ったのは俺だ。自分の言った事にはちゃんと責任を持つ。

 はてな先輩の相棒だ。簡単な事じゃないのは分かりきっているが、足手まといの足枷になんかなりたくない。

 リョーマを見返すっていう大事な仕事も残っている。

 やる気は充分だ。

















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