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『青春はゲームじゃない』  作者: いろは菓子
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37話 「一網打尽」

 2回戦の開始もそう待たずにスタートされた。


 マップは同じだが、初期の転送位置はどうやら違う。

 クリスタルの色も今度は青色だ。どうやらその辺りは完全ランダムらしい。


 敵チームの事前情報は何もない。こちらと同じ無名チームという事だろう。

 分かった事だがこの大会はそこまでレベルは高くない。いや、普通レベルではあるのだが、その程度ならもう既に俺たちの敵ではなかったのだ。

 大抵ははてな先輩一人でなんとかなってしまうし、個々人の技量も厳選しただけあって相当高い。立花さんなんてランカーだったわけだしな。


 だから、心配はなにもいらない。俺達の敵になれるような所は滅多にないのだから。


「さて、ニ回戦だね。今回も前回と同じでいいかな?上手くいったし。」


「そうだね。また私が上から細かい指示を出すけど、基本はあの動きで。」


 一回戦と同じって事か。うん、正直負ける気がしないしいいんじゃないか。早く戦わせて欲しい。


 信彦は若干不満気だ。


「俺も前に出て戦いてーな。クロ達ばっかり活躍してずるいぜ。」


 役割柄目立つものは仕方ないから勘弁してくれ。


「サヤ達にも前に出るよう頼ることもあるから、その時には頼むよ。」


 そんな指示が出ることもあるだろう。


「さて、それじゃあそろそろ行こうか。」


 お喋りはここまでと言ったようにはてな先輩の仲裁が入り、雰囲気が切り替わる。


 はてな先輩と共にバフ拠点めがけ走る。もちろん、伽耶からのバフも受け取り済み。

 同タイミングで立花さんもスタートしているのが見えた。そろそろ情報が来る頃だと思うけど――。


『敵はどうやら拠点から一人も動いてないようです。一回戦を見て、半端な戦力じゃ相手にならないと判断したのかも。私とサヤで崩します。バフを確保してください。』


 なるほど、バフは譲って全員で迎え撃とうって訳ね。確かにあれだけ派手に俺とはてな先輩が暴れれば敵も迂闊な行動は出来ないだろう。それを踏まえて固まろうって作戦なんだな。


 でも、残念。このチームは俺達だけのチームじゃないんだ。


 熱気を感じ、上を見上げれば頭上を飛び越えるように、まるで太陽かのような炎球と、尾を引くような流星が飛んでいく。

流星のように見えるそれはツキノの放った矢。綺麗な弧を描くようにその矢は相手チームの重装備タンクを頭から爪先まで滅多刺しにする。


「一体、どこから‥!」


 突然の出来事に混乱が広がる相手拠点に追い討ちをかけるように、タンクが受け止めるはずだった炎球がとどめを刺す。


「うわぁぁぁぁ―――――!!!」


 相手拠点からの絶叫が中央の俺達まで聞こえてくる。

 うちの遠距離火力達は恐ろしいな。対策をしていないとこうも簡単に一網打尽にされてしまうのだから。


 あっという間に5人ノックアウト。

 この時点で、敵の戦力が0となりこちらの勝ちが確定する。

 二回戦も悠々突破だな。


 近距離対策に必死なあまり、固まったところを魔法で一撃粉砕。あまりにも気の毒というか、仕方ない気がする。


 立花さんの狙撃の腕も大したものだ。

 あの距離で正確にタンクの盾の部分だけを避け、矢を急所に命中させているのだから。

 どんな当て感をしていればそんな事が可能なのか。敵だったらと思うとゾッとさせられる。


 加えて、弓の凶悪な所は音がほとんどしないことにもある。どこから撃たれているか特定は困難を極めるし、立花さんの弓は弓とは思えないほどの破壊力がある。大砲だ。

 そんなのを連発されればあの結果も仕方ないと言えるだろう。


『勝者!「???と愉快な仲間達」チーム!!』


 天からのフロップの陽気な声とともに俺達は会場へと戻ってくる。その熱気はまだ残っており、興奮冷め止まぬと言った様子で周りに人だかりが出来る。


「一回戦も凄かったが、嬢ちゃん達やるな!」

「あの威力どうなってんだよ、反則だろ!」

「強いなあんたら!」


 ガヤガヤと皆、思い思いの感想を口にする。


「うぉ。なんだこれ!」


 帰ってきて早々囲まれ、その人の量に信彦が驚嘆の声を上げる。

 苦笑いを浮かべるサヤに平気そうな顔のツキノ。


 その熱気もちょっと時間が経てば、熱気が下がりじわじわと人の数が減ってく。


「凄い人だったな。今回は間違いなく、サヤとツキノさんがMVPだった。」


「いやいや、中央で火力upのバフを取ってきてくれてたのもありがたかったよ。じゃなきゃ私の魔法でワンパンなんて出来ないよ。」


 そうなのだ。今回の中央に湧いていたバフは火力up。それもあって、伽耶の魔法がパワーアップしていたというのはあるだろう。ただそれを差し引いても凄い威力だった。そんな謙遜しなくてもいいだろうに。


「狙撃が私の役目だから気にしないで。それに、一回戦で接近戦を警戒させておいてくれたおかげもある。むしろ、ありがとうございます。」


そうだな。作戦勝ちって事だ。


「いいな皆楽しそうで!俺にも仕事くれ!」


 まだ仕事をしていないのは信彦だけ。戦闘大好きな信彦だ。戦いたくて仕方ないだろう。


「次は俺とポジションチェンジするか?」


「マジで!じゃあお願いしようかな。」


 この調子なら余裕だろう。俺と信彦のポジションを変えたぐらいじゃ勝敗に影響はないはず。知らないけど。


 舐めプっぽいがまぁ、信彦も喜んでるしいいだろう。


 はてな先輩も今の会話を聞いていたようだが特になにも言わない。いいって事かな。


とにかくこれにて二戦目も勝ち。この調子でやっていこう。




















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