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『青春はゲームじゃない』  作者: いろは菓子
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第1話 「新学期」

 まだ肌寒い4月の朝。


 俺は1人手を摩りながら駅で電車が来るのを待っていた。

 周りには通勤前の社会人、俺と同じように制服に身を包んだ学生。それにまだ小学生だろうか。そんな年齢の子供までみんなホームに迎えが来るのを今か今かと待っている。


 しばらく待っていると、けたたましい音を立てながら電車が到着し、ムワッとした人の匂いが混ざり合った車内へと吸い込まれるように乗り込む。


 俺の名前は黒川深夜(くろかわ しんや)。高校2年生だ。

 黒に夜を重ねて黒黒の組み合わせだが名前の響きは気に入っている。

 顔は普通。2日見なければ忘れてしまいそうな地味な顔だ。


 今日から新学期が始まる新しい旅立ちの日だっていうのに、去年と何も変わる事なく電車に揺られている。


「早くおわんないかな。」


 そうぼやいた声は電車内の誰にも届くことなく電車の音にかき消された。


 学校に着いてからも特に変わった事はない。

 新しいクラスになったが元々の交流関係が狭い。そんな俺の唯一の友達はといえば、


「よっ!おはよう深夜!」


 この元気に声をかけてくるいかにも陽キャっぽいこいつ。

 武田信彦(たけだ のぶひこ)

 顔も良く、性格だって明るい。なんでよりによってこんな陰気な奴と仲良くしてくれているのか分からないが大切な友達だ。


「おはよう、信彦。」


 気だるげに返すと、がっかりしたような顔を浮かべるのが見える。


「おいおい、テンション低くね?今日から新学期だってのに。一緒のクラスになってた事をもっと喜ぼうぜ。それにほら、そんなんじゃまた木南さんに暗いって言われるぞ。」


 そう言って、前の方の席で喋っている女子グループの中の1人に目をやる。


「ただ一個学年上がっただけだしな‥。まぁ信彦と一緒だったのは救いだったと思ってる。今年もよろしくな。伽耶まで一緒ってのは少し気が引けるが。」


 木南伽耶(こなみ かや)

 目立つ金色の髪に肩までのショートカット。

 整ったその顔を見れば、大抵の人間は可愛いと口を揃えて言うだろう。部活には入っていないらしいが、いかにも運動出来そうな印象を受ける。


 そんな伽耶とは小学生の頃からの付き合いで一応幼なじみと言うことになるのだろうか。


 ただ高校に上がってからは滅多に話すこともなくなり、たまに会ったと思えば陰気だのなんだのと言われる始末。


 もう新しいクラスで友達を作ったのだろうか。女子同士でキャッキャと騒いでいる。


 そんなこちらの視線に気づいたのだろうか。

 ちらっとこっちを見たが、またすぐにぷいっと元に視線を戻した。


「相変わらずみたいだなぁ‥」


 そう言って信彦が頭をかく。

 信彦は高校からの繋がりだから伽耶とまともに話した事はほとんどない。一年の時は信彦と俺は同じクラスだったが伽耶は違うクラスだったしな。


 でも、交友関係の少ない俺の数少ない繋がりって事で幼なじみがいる事は度々伝えてはいた。


 と、そこに担任の先生がガラッと扉を開け、入ってくる。

 みんな席に着けーと声を張り上げながら入ってくるガタイのいい体育教師。


 じゃ、またな。と信彦が小さく手を振って自分の席へと帰っていく。

 周りの生徒もわらわらと席につき、新学期が始まった。



内容に関しては、所々訂正していくところがあるかもしれません。

ご了承ください

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