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『青春はゲームじゃない』  作者: いろは菓子
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第12話 「初接触」

 待ち合わせ場所で、信彦と一緒に並んで待つことしばらく。あいも変わらず真っ黒なその風貌ではてなさんは現れた。


「相変わらずクロ君は来るのが早いね。私も別に遅れてるわけじゃないんだけどな。」


 恐らくだがそのフードの下は笑顔なんだろう。声色が柔らかい。手を振ってくれるはてなさんの姿にホッとする自分がいる。


「たまたま早めに来てるだけですよ。本当はもっと適当です。」


 実際そうなのだ。たまたま気分が乗っただけ。今日に限っては、信彦を紹介するというもう一つの目的もあったからその分少し早めに来ようと心がけてはいたが。


「それで、そっちの子が昨日言ってたお友達かな?」


 俺の後ろに待機している信彦に気づいたのだろう。

 目で信彦に合図を送る。


「どうも、初めまして!彦丸っていいます。クロとはリアルでも友達です!」


「ふふっ、元気いいね。初めましてー」


 持ち前の明るさとコミュ力で最初の絡みは上々と言ったところだろうか。


「本当に全身真っ黒なんですね。超上手いって散々聞いてますよ。」


「でしょ〜この格好気に入ってるの。黒が大好きでね、フードまで被っちゃった。クロ君が褒めてくれてるのは嬉しいな。」


 もう自然に会話してる。仲良くなれるかどうかなんて杞憂だったか。

 そろそろ俺も会話に入らないと。


「恥ずかしいからあんまり俺の話はしないでくれよ。」


「えー、いいじゃん。普段の2人の様子とか興味あるよ。」


 どうしてそんなノリノリなんだ‥。いつもとはまた違ったテンションの高さだ。新たな一面が見えている気がする。


「そうですね〜クロとは一緒の高校でその繋がりなんですけど、ずっと一緒のクラスなんですよ。」


 はぁ、信彦まで楽しげに話始めた。諦めるしかないか。


「俺たちの歳はまだまともに言ってなかったですよね?」


「そういえばそうだね、学生だって言うのは聞いてたけど。結局何歳なの?」


「俺も信彦も今年高2の16歳です。そういうはてなさんっていくつなんですか?」


 まだはてなさんの情報何一つ透けてきてないんだよな。顔も一瞬だけ見えた事があるだけでいつもフード被ってるし。

 急で強引なところがあるぐらいしかこれといって印象にない。


「私は高3の17歳。君たちの一個上だよ。」


 やっぱり歳上だったのか。見た目も声も小さい女の子って感じだったけど雰囲気が少し大人びてる気はしたんだよな。

 今まで、ずっと敬語で接してきていたのにはそう言う理由もあった。シンプルに距離を詰めるのが下手くそというのもあるが。


「じゃあ先輩ですね!はてな先輩!先輩って呼んでいいですか?」


「うんうん。呼びやすいように呼びなよ。でも、敬語とか気使ったりはは全然しなくていいからね。」


 信彦は流石だ。距離を詰めるのが上手い。俺も見習わないと。


「じゃあ俺ははてな先輩って呼ぼうかな。」


 多少の勇気を出し、友達に接するかのように気軽に話しかける。


「じゃあ私はクロ君に彦丸君だね。改めてよろしく!」


 良かった。特に何も言及されない。自然に言えていたんだと信じたい。

 信彦も印象悪くなさそうだし、これなら心配はないだろう。


「じゃあ、そろそろゲームの話をしよっか。彦丸君、どこまで話聞いてるかな?」


 はてなさんの口調が少し変わる。今までの少し緩んだ空気から、真面目な雰囲気に変えようとしているのが伝わってきた。


「クロからは、1周年イベントに出るメンバーが足りないから出て欲しいっていうのを聞いてます。」


「うん!じゃあ大体もう分かってる感じなんだね。今の所私とクロ君だけだから早めにメンバーを見つけなくちゃいけないんだけど、ひとつだけ条件があるの。それは、私が凄いって認める事。本気で勝ちに行きたいからメンバーはこだわりたいんだ。それでも大丈夫?」


 昨日話していた通りだ。認められること。これがどれぐらいの難易度なのかは分からないけれど、はてな先輩の基準なんだ。低い訳がない。でも、俺が受かったんだ。なら、俺が認めてる信彦だって充分チャンスがあるはず!


「大丈夫です!それで、どうやって試験はするんですか?やっぱり先輩とタイマンですか?」


 信彦もそれは分かっていたらしくやる気満々といった様子だ。


「んー、それも考えたんだけどね。今日は3人で狩りにでも行かない?彦丸君は盾使いって聞いたし、やっぱりパーティーを組んで動き見るのがいいかなって。」


 なるほど。確かに、タイマンとチーム戦じゃタンクの立ち回りは大きく違うだろう。単純な防御力じゃないところまで見たいって事だろう。


 信彦も同じような事を考えていたのか、少し黙っていたがすぐに元気な声で返事する。


「分かりました!それでいいんだったら精一杯頑張ります!」


「うん!頼りにしてるよ。」


 とりあえず方針は決まったって事か。正直ありがたい。信彦と俺はいつも2人で狩りに行ってたし、何も関与出来ないと思っていたけど良いところを見せられるチャンスだ。

 恐らくそう言う所も考慮してくれてはいるんだろう。俺も一緒なら慣れてるし緊張することも無い自然な状態で戦えるしな。


 はてな先輩の案内で、俺達は初めての3人パーティーで冒険へと向かった。














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