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テーマ詩集:果樹園

グレープフルーツ

作者: 歌川 詩季

 もとは歌「詞」なので、メロディがあったりします。

 こちら用に、2番を描きおろしました。

 んでも、ちゃんと「詩」っぽいと思うんですけど(笑)

 はじめてのキスは 柑橘系の香りがした

 いまにしておもえば すっぱいだけのしろものさ

 黄色い皮はぶあつくて とてもじゃないけど

 内側を見せてくれそうにない

 おっかなびっくりで つめをたてたんだ


 ひとふさの幸せなんかじゃなく

 たったひとつの果実がほしくて

 ぼくは手をのばしてたのに

 せのびもしたけど枝は高くて

 まるで とどかないや


 ぎざぎざのついたスプーンで

 胸をえぐられてるみたい

 すかすかのグレープフルーツに

 なってくかんじ



 何度めかのキスに 弱酸性の痛みがした

 あとからでおもえば 荒れてかさつく唇さ

 だいだいの皮をうらやんで いたのじゃないけど

 太陽を浴びて赤らんでく

 ほっぺをつねっても きみは知らん顔


 ひとつぶの幸せじゃ足りないよ

 まるくみのる果実がほしくて

 ぼくは手をこまねいてたのかな

 つまさき立ちでつんのめるまで

 だけど 季節は奪う


 ぐじぐじのガラスのしぼり器が

 背中にあたるみたい

 よれよれのグレープフルーツに

 なってくかんじ

 モチーフから連想される、ワードを配置して描くのが好きなんです。

「詞」だけじゃなくて、「詩」にもなじむものがあれば、また手直しして載せたいと思います。


 歌「詞」だったら、何百と描いてきたので(笑)

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制作:冬野ほたる先生
― 新着の感想 ―
[良い点] 爽やかさと青春の甘酸っぱさが共存している作品ですね。恋に伴う悲しみのようなものも感じられましたが、「柑橘類」というモチーフのおかげか切なくなり過ぎないところがいいなと思いました。
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