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【鋼鉄の矢】

 ご覧頂き、ありがとうございます。


 マレーシア密林戦の最終話です。


 自身を奮い立たせ、互いを鼓舞し合い、戦いを再開してしばらく。少しずつではあるけど、ドラゴンとの戦いに慣れてきた。


 いくつかの種が入り混じった状態で現れたコイツら、それぞれの種類ごとに攻撃パターンがある。

 種類が多いから見極めるのは困難だけど……ゲームと同じだ、確実に繰り返せば攻略出来る。


 それぞれの種のそれぞれの攻撃を見極め、繰り返していくうちに俺自身も無駄な動きが無くなり、少しずつだけど余裕が出来てきた。


 その余裕も佐倉が“ワルキューレ・ブレイズ”の出力の値を高くキープしてくれているからこそ。機体の動きが機敏になり、操作がしやすい。


「佐倉、“ワルキューレ・ブレイズ”への魔力供給を抑えてくれていいぞ」

「え、でも……」

「大丈夫。佐倉のおかげで敵の動きにも慣れてきた。一旦、出力を抑えて必要な時に備えよう」


 俺が言うと少し考えたあとに佐倉が言った。


「うん、わかった。無理しないでね?」

「ああ、大丈夫だ。助かった、ありがとう佐倉」

「う、うん」


 魔力消費が著しいのか、佐倉は頬を少し赤らめて目を伏せた。

 そうだよな、魔力はイコール生命力だって言ってたもんな。


『こちらイーグル1、待たせてしまったな』


 機体の出力を下げて戦っていると無線が入った。


『ジョーンズ少佐? 航空部隊が来てくれた?』


 たしかブリーフィングの時に上原少佐と話してたフライトジャケットの人だったか?

 戦闘機で援護に来てくれるって言ってたけど、めちゃくちゃ早いな。


『はっは。ヒーローは遅れて登場するものだ。フレシェット爆雷を投下し、一掃する。カウント一〇でどうだ』


 フレシェットってなんだ……と思っていたら佐倉が簡単に言うとここを爆撃するんだよと教えてくれた。

 

 飛行機から投下された爆弾が空中で爆発して、ダーツの様な鋼鉄の矢の雨を降らせるんだとか。


 ……って、マジかよ!?


 まさか俺らもろとも爆弾で木っ端微塵かよ、と思って顏を引き攣らせていると上原少佐が捕捉してくれた。

 

『フレシェットの矢なら魔導光子障壁(マギア・エスクード)で防げるわよ。出来るわね、莉子?』

「出来ます……と思います」

『日本語おかしいわよ。カレシ守るんでしょーが、気合入れなさいよ気合!!』

「か、彼氏!?」


 佐倉の顔が真っ赤になる。


「この状況で照れてる場合か!」

「だ、だって彼氏って……その、有馬くんは、嫌、なの?」

「は、はぁ!? べ、別に嫌とかそういう訳じゃ」

「そ、そっか……良かった。わ、私も、その、嫌じゃない、よ?」

「そ、そうなのか?」


 機体を駆りながらではあるけど、こんな非常時ではあるけど。それでも照れた佐倉は、すごく可愛く見えた。


 前傾姿勢の佐倉に目を落とす。


 艶のある漆黒の短髪。白く透き通った(うなじ)。女の子らしい細身の肢体にパイロットスーツが張り付いている。くびれた腰。そして、俺を誘うかの様に突き出されたお尻……。

 俺はその柔らかさを知っている。マシュマロやプリンの様に柔らかい。それでいて弾力があり、押しただけ押し返して来る。


 気がつけば俺自身も顔が熱くなって行くのを感じていた。きっと佐倉みたいに真っ赤な顔をしている事だろう。


『……こちらイーグル1。私の合図でフレシェット爆雷投下』

『イーグル2了解』

『イーグル3了解』


 無線の声でハッと意識を覚醒させる。


 え、ジョーンズ少佐の声のトーンが少し低い気がするんですが!?


『……3(スリー)……2(ツー)……1(ワン)……《リア充、爆発しろ》おおお!!』


「今のが合図!?」


 嘘だろと思ったけど、三機の戦闘機から何かが排出されたのがレーダーに映った。間違い無く爆雷は投下されたようだ。


「【魔導力増幅装置マギア・ブースター・デバイス】出力最大っ!! 魔導光子障壁(マギア・エスクード)展開っ!!!」


 俺は佐倉の指示通りに機体を跪かせる。それと同時に“ワルキューレ・ブレイズ”の頭上からバリアが展開され全身を覆った。


 空を低空飛行の戦闘機が三機飛び去っていった。

 

 次の瞬間、打ち上げ花火のような乾いた破裂音の後にフレシェットの雨が降り注いだ。

 直径二〇mm、長さ二〇cm程の鋼鉄の釘が何百本と降り注ぐ。


 それはドラゴンの鱗を突き破り、全身のありとあらゆる場所に突き刺さった。

 多くのドラゴンは当たりどころが悪く、即死。そうで無くても瀕死の傷を負い、その場に倒れた。


 一瞬訪れた甘い感覚はとうに消え去っていた。


『続けてトマホーク来るよ! カウント二十三……二十二……』

『退避よ! 全力疾走! 十分離れたら【魔導力増幅装置マギア・ブースター・デバイス】出力最大! 意識を失ってもいいわ、身を守るのが最優先!』


「「了解!」」


 俺は機体を百八十度回転させ、弾かれた様に駆け出した。木々を避けつつ、低い木は飛び越えて。谷を跨ぎ走った。


 その後着弾した二基のミサイルでドラゴンは全滅した。

 

 歩兵部隊の人たちもみんな無事で、俺たちはややあって到着した巨大な輸送ヘリに乗り込みソメイヨシノに輸送された。


 そこで初めて、世界中で起きている事を知る事になる。



 お読みいただき、ありがとうございました。


 作者は【ブクマ】や【評価】をして頂くのが大好きです。

 その為に書いていると言ってもいいくらいです。

 生き甲斐、といっても過言ではないでしょう。


 ☆☆☆☆☆→★★★★★


 こうして頂くだけで大喜びする単純人間です。

 まだの方いらっしゃったら、下部の☆を塗りつぶして貰えると嬉しいなぁ(切実)


 レビューなんか超絶嬉しいです、感想ももちろん。


 次回もお楽しみに。

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― 新着の感想 ―
[一言] 戦闘中なのに有馬くん余裕ありすぎぃ!
2021/12/16 20:51 退会済み
管理
[良い点] 《リア充、爆発しろ》は吹いたのですなww
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