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【マリオン・シュヴァリエ】③

ご覧頂き、ありがとうございます♪



 

「……そうか、魔導光子障壁(マギア・エスクード)っ!」


 ヴァリスセイバーの刃を滑らせたのは【魔導光子障壁(マギア・エスクード)】だ。

 “ヴォルガー”などには搭載されていない【魔導力増幅装置マギア・ブースター・デバイス】を稼働させることにより発生する魔力の障壁。

 

 コストの関係で【魔導力増幅装置マギア・ブースター・デバイス】が搭載されている機種は限られるが、この“ジャンヌ・ダルク”に載っている事を忘れているだなんて……。


 くそ、取ったと思ったのに。


 俺は自分自身に舌打ちをした。佐倉に聞こえないように心の中で。

 “ジャンヌ・ダルク”と戦うにあたって一番最初に思い至らなければいけない案件だ。


 大剣を構え直す“ジャンヌ・ダルク”。それを見据えてこちらもヴァリスセイバーを構える。


『……男と思って侮りましたわ。腕は確かのようですわね』

「こちらとしては侮っていてもらった方がありがたいんだけど」


 一瞬だけど隙をつかれた事を言っているのか、今度こそ油断のない構えを見せるシュヴァリエ。

 近接に特化した機体だけあって、パワーは“ワルキューレ・ブレイズ”より上だな。


 それに加えてあのバリアが厄介だ。


 【魔導力増幅装置マギア・ブースター・デバイス

 搭乗者の魔力を増幅し、攻撃や防御に転用する事ができ、【魔導光子障壁(マギア・エスクード)】で機体を守ったり、“ワルキューレ・ブレイズ”に搭載されている『空飛ぶSVS』“クレステッド・アイビス”を自在に操り、相手を攻撃したり出来る。


 しかしこれも例の如く、魔力量が物を言う。


 搭乗者の魔力が多ければ多い程、その効果は高くなっていく。


「アイツ、バリアを常時発動させているのか?」


 完全に不意をついた筈だったけど、ヴァリスセイバーはアイツのバリアに阻まれた。

 瞬間的に発動させたようには思えなかったので、バリアを常時発動させていると思って間違いないだろう。


「……多分ね。私はあそこまで追い込んだ事がないから分からないけど、見たところそうみたいだね」


 佐倉はそう言うと自嘲気味に笑った。


 今までの対戦で一太刀すら与えられていないのだろう。

 それ程佐倉とシュヴァリエの力量には差があるという事なのか。


 シュヴァリエの魔力量ならバリアを常時展開できるんだと言う事を今初めて知ったんだな。


 逆に佐倉はバリア発動時には相当な気力を要するみたいだ。持っている魔力量が明らかに違う証拠だ。

 最もルゴール人は魔力を多く持つ人種らしいからな。


 常時展開されるバリア。一見すると手出しが出来ないように思える。


 だけど、手が無いわけではない。


 手段はザッと二つ。

 一つは脳筋的な手段。単純明快、超火力でバリアをぶち破る。これは手段さえ在れば割と簡単。

 もう一つは、コチラもバリアを展開させて相手のバリアを『相殺』する方法。

 

 イメージ的には【魔法のバリア】を【魔法のバリア】で中和する感覚かな。設定資料集に書いてあった。

 難しそうだけど、【魔導力増幅装置マギア・ブースター・デバイス】が在れば出来るはず。


 これのどちらかが【パトリオット・オンライン】でもオーソドックスなバリア、【魔導光子障壁(マギア・エスクード)】対策だ。


 今の“ワルキューレ・ブレイズ”の装備で考えると、ロングバレルキャノンの百二十mm徹甲弾をぶち込むのが一番簡単なんだけど……。

 徹甲弾は滑空砲。威力は申し分ないけど……滑空砲はライフル弾とは違い、照準がつけにくい。


 更に言えば百二十mm弾を発射する際は機体をパイルバンカーで地面などに機体を固定しなければならない。


 一対一の状態でその暇を果たして見せてくれるか分からない。というかほぼ撃つ暇はないと思う。

 七十六mmのライフル弾も相当な威力があるけど、間合いが近すぎる。

 よほどの隙を作れれば考え無くもないけど、それはシュヴァリエの腕から考えて難しいと思う。

 さっき生まれた僅かな隙さえ素早く対応してきた。


 となると残されるのは……。


 俺はオープン回線のマイクを切ってから“ジャンヌ・ダルク”から目を逸らさないようにし、佐倉に作戦を手短に伝える。

 佐倉も同じく油断のない視線を向けながら、相槌を交えながら頷いた。


「……出来るか?」

「うん、出来る」


 そう断言すると力強い目線を送ってきた。

 ワイプ越しでもうちに秘めた熱いものがヒシヒシと伝わってくる。

 後ろにいる守るべきモノ(・・・・・・)たち。それらの為にも断言し、実行するしか生きる道はない。

 

 出来る出来ないではなく『やるしかない』のだ。

 そんな意思を感じる熱い視線だった。


「頼もしいな……じゃあ行くぞっ」

「うん!」

 

 俺は正眼に構えたヴァリスセイバーを脇に構え直し、背面スラスターにタメを作る。


『次で終わりですわ!! ご安心を、命までは取りませんわ。ですが(わたくし)の所有物として生涯こき使って差し上げますわ!』


 またも恍惚とした声色でシュヴァリエが言う。

 きっとサディスティックな微笑を携えている事だろう。マイクの向こうにいるであろう表情を思い浮かべると背筋が寒くなった。


「言ってろ!」


 一瞬過ぎる敗北のイメージを払拭するために俺はかぶりを振って、操縦桿を倒した。


 お読みいただき、ありがとうございました。


 少しでも『面白い!』『続きが読みたい!』『頑張っているな』と思っていただけましたら、【ブクマ】【評価】を頂けると嬉しいです♪


 続きは明日の朝更新。


 感想、誤字報告ありがとうございます。

 すごくありがたいです。


 とうとうストックが無くなりました(涙)


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― 新着の感想 ―
[良い点] 相変わらず熱い台詞の応酬と。 作者のロボ熱溢れる設定がビンビン伝わってきております。 こういう作者の熱の乗った文章って、読んでいて凄く楽しい! [気になる点] 魔導光子障壁の打倒法の後者、…
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