【さぁ勇者よ、目を覚ますのじゃ的なヤツ】
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本日から連載開始です。
『――――――――――――――――――』
「きゃああああっ!?」
……ん、なんだろう。
突然、眠っていた俺の耳に女の声が聞こえてきた。
綺麗で、とても良く通る声。それでいて少し焦燥感が含まれた声が。
生身の女の子の声を聞いたのなんていつ振りだろう。
俺が普段耳にするのなんて、せいぜいいつものロボットシミュレーターゲームのキャラクターボイスくらいなものだしなぁ……。
……はぁ。
なんて夢の中でため息を吐いていると。
「あ、あれ!? ライフルってどうやって装備……きゃっ!?」
『警告、左上腕部に被弾。左腕稼働率低下』
「うええええええ!? ど、どうしよう!?」
夢の中で聞こえた声と同じ綺麗な女の子(願望)の声と電子的な声による警告。
その時、俺の身体を激しく揺する衝撃。
「きゃあ!?」
「っ!?」
やはり聞こえる女の子の声。
瞼の向こうが眩しいし、なんかドッカンドッカン聞こえるし!? 身体は揺れてるし!?
ちょっと様子がおかしい……って!?
「……ん、うおわぁ!?」
たまらず目を開けた瞬間、飛び込んできた景色に俺は驚愕する。
人が二人入れるような狭いスペースに、まるで飛行機の操縦席にあるような計器類がならんでいる。
しかも壁の代わりに三六〇度四方八方がガラス張りに……いや、これはモニター……か?
キョロキョロとあたりを見回す俺の両手にコツンと当たるなにか。
「……コレって、操縦桿か?」
それに気づいた俺は思わずそう呟いて首を傾げた。
これってアレだよな、ホラ、俺がいつもゲーセンでやってるロボシミュレーションゲームのコクピット的なやーつ。
今日もやってたっけ。まさかプレイ中に眠ってしまっていただなんて笑える……いや、後ろに列ができてたら笑えない。
早く退かなきゃ……そう思ったが。
……って、そんなわけないじゃん!!
いやいやいや!
ゲーセンだってんならさっきから揺れてるこのギミックは!? 鼓膜が破れそうになる程の爆発音は!? モニターには市街地らしき景色が映ってるし!? もうさっきから警報が鳴りまくってるし!!!
ていうか、コレは一体どういう状況なんだよっ!?
そしてここどこ!?
五感がとんでもない情報を次々と脳に伝達してくるもんだから、俺の可愛い(量的な意味)脳みそが情報を処理しきれていない。
そんな時、俺をさらに混乱させるものが視界に入る。
黒髪ショートの……女の子?
「えー……ん?」
よく見るとこのコクピット、前後の複座式になっていて、前の席にパイロットスーツに身を包んだ女の子が座っていた。
「し、死ぬぅーー!?」
でもって、夢の中で聞いたあの綺麗な声からは到底結びつかない物騒な事叫んでんですけど!?
「き、君は一体っ!? てかここどこ!?」
「あわわわわ……って、ああ! やっと目を覚ました! ……きゃあ!?」
「うわぁぁぁ!?」
突然、轟音と共に衝撃がやってきて、コクピット全体がぐらりと傾いた。
「こ、今度はなんだよっ!?」
衝撃をもろに受けつつも顔を上げると、一番デカい正面のモニターに一体のロボットが映っている。
……ライフルを持って。
何故かその銃口をコチラに向けながら。
「お、おいおいおい……ま、まさかまさかっ!?」
「来るよっ! 備えて!」
「うえ!?」
警報が鳴ると共にコクピットが更に傾き、俺の身体が左右に揺すられた。
するとモニターに映し出された景色が一気に流れて、俺の身体はフワリと浮き上がったかと思うと、今度はモロに俺の尻に衝撃が走った。背骨まで響いたぞっ!
「痛ぇ!?」
「ふ、ふぅ……か、回避成功っ」
「嘘つけぇ! どこが『回避成功』だよっ! 俺の頭ちょー痛いんだけど!? てかぜんっぜん状況わかんねえーんだけど!?」
今の衝撃でシートから転げ落ちて頭をぶつけた俺は、まくし立てるように女の子に向かって叫ぶ。
「あ、当たらなかったんだから成功じゃないのっ!?」
「だから! その当たらなかったって何なんだよ!? てかなんで狙われてんの!? しかも君は一体誰……「やばっ!?」……うおぉぉぉ!?」
警報と共に、コクピットがさっきの比じゃない程の衝撃が走った。
「うええええええ!?」
俺は情けないと思う暇もなく、恥ずかしい悲鳴をあげて再びシートから転げ落ちた。
と、とにかくシートベルトを締めよう!
やり方? ンなもん適当だよテキトー!!
「――くっ!」
前列で奮闘する黒髪ショートの彼女は、操縦桿を必死で握り、正面モニターから目を離す事なく叫ぶ。
「キミっ! 有馬優介くん!!」
「へ!? は、はいっ!?」
いきなり目の前の女の子にフルネームを呼ばれて俺は訳もわからず返事をした。
ていうかこの女の子、なんで俺の名前を知ってるんだぁ!?
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続きはこの後更新。
少しだけストックが有りますので、しばらくは毎日複数話更新の予定です。




