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名状しがたい時間

結論から言うと、俺は全然死んでなかった。


いや、別に、嘘をついたわけじゃないよ。


首が胴体に、あなたとはもうやっていけないわって言ったら胴体が、ごめん、僕が悪かったって言って仲直りした声を聞いたみたいな、ね?


何を言ってるかわかんないかもしれないが俺も何を言ってるかわからない。


だって考えても見てほしい。


仮に目が血走ってるめちゃめちゃデカい巨人が棍棒を取り出して頭にフルスイングしてきたらそれは遺書も書くし辞世の句も詠むというものだろう。


まぁ、それは置いておいて。


状況の説明をしよう。


俺の目の前に立ちはだかる化け物は、身体から棒状の『何か』を生成し、俺の頭部に向かって振り抜いた。


これは間違いない。


ただ、その生成されたものっていうのが、手であり腕だったのだ。

勘違いしないでほしいのだが、それは巨人のような大きさではなく、普通の人間の、それもどちらかといえば華奢な、女性の腕だったのだ。


そしてそれが俺の頭部、というか顔、というか頬を、ビンタしたのだ。


ね?わけわかんないでしょ。


当然のごとく放心する俺に向かって、その手は叩いた部分を数回撫でると、今度は頭を撫でだしたのだ。


ね?わけわかんないでしょ。


それから数十分、どうすることもできない俺はされるがままに頭を撫でられ続けているのだった。

いつまで続くんだこれ、もしかして死ぬまでか?

わりとけっこうありそうな想像で再び正気を失いそうになった時、


「助けてぇ!!」


そんな声が俺の耳に届いたのだった。

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