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第4話 無謀な作戦

 前回、俺は新たに3つのスキルをGptを使うことにより得た。一つ目は【絶対回避】。なんでも、このスキルは敵の攻撃を一回限りだが、絶対に回避することができる、というもの。


 そして二つ目。【フル回復】は名前の通り、自分のHPを完全に回復することができる。今まで特にこれといった回復手段を持っていなかった俺にとってこのスキルの存在は大きい。本来一度きりのスキルなのだが、俺にはすでにGptの使用制限というものがないため、「使い放題」というわけだ。


 最後の三つめは【貫通攻撃】。敵に固定で百の大ダメージを与えられる技。俺が強敵、ゴブリンと戦った際に使用した大技だ。


 今の俺は攻撃力が三ほどしかなく、ここから先強敵と出くわした場合、【絶対回避】と【フル回復】だけでは対応が難しくなると考えたためだ。


 そして今回、もう一つスキルを新しく習得しようと思う。


 ウィンドウを出し、【透明化】のところをタップした。

画面には「Gptを一消費して習得しますか?」と出るが、俺のGptは実質無限大なので何のためらいもなく「Yes」をタップする。


 この【透明化】。十秒間、自分の姿が相手に完全に見えなくなる。

 俺としてはやはりこのスキルも覚えたかった。この先、どうしようもない敵と出くわした場合に逃げることも考えとかなきゃな、と思ったためだ。


 もちろん、戦術的徹底の方の意味だけどな。


 こんなにも強い能力を持つ様々なスキルだが、もちろん弱点もあった。まず、スキルを使うには自分のHPが三割を切っている必要があること。この制約があるせいで超強力なこれらのスキルを連発することはできないのだ。


 そして、もう一つ分かったことがある。全体的にこの森の魔物は強い。道中何度も死にかけたほど。最初にここに飛ばしてくれた女神は本当にどうかしてると思うぜ。


「ギャオオオオオオオ!」


「ち、またか!」


 頭上に緑がかかったコウモリ型の魔物が俺に向かって飛んできた。もうこいつと出くわすのは四度目だ。やつは高速で空を変則的に飛び回っている。そのせいでこのスキルをぶち当てるのはかなり難しい。


 だけどそもそも現在俺のHPは九十。余裕こそあるものの、スキルの制約のせいで何もできないけどな。


 俺にはこれといった攻撃手段が特になかった。道中、ボロボロに錆びついた剣を見つけたが、先の戦いで使い物にならなくなってしまった。


 そこで俺は考えた。やつ、コウモリに向かって全速力でとびかかる。


「キシャアアアアア!?」


 驚いたのだろう、コウモリは一瞬、動きを止めるがそれはほんの少しの間だけだ。すぐに俺にかみつこうと俺に向かってくる。


「ぐ......いってえな」


 コウモリの体当たりをくらう。かみつかれはしなかったもののかなりのダメージを負ってしまう。だが、これは彼にとって好都合であった。


「よし、HPが三割を切った。スキル、【貫通攻撃】発動!」


『スキル【貫通攻撃】使用操作確認。対象ウッドキースに攻撃を開始!』


 すると、画面から白い光線がコウモリ型の魔物に直撃する。その光線をもろにくらったコウモリは一瞬のうちに消滅した。


「っしゃ!いいぞ。これは使える」


 あまりにも無謀な作戦だったと自分でも思っている。自分から敵に近づき、攻撃を三割減らされたところで「奥の手」スキル発動。条件は満たしているから何の問題もなく使えたが一歩間違えたら死んでいたかもしれなかった。


 戦闘が終わるとすぐさまステータスを確認する。


「HP残り二十五......。あいつの突進一撃でこんなにダメージを負うのか」


 俺は【フル回復】でHPを全回復させる。そのあとは再び【フル回復】のスキルを習得する。その後、突如俺の目の前に画面が現れ、あることを知らせてくれた。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

レベルアップしました。4→5

HP【140】→HP【150】

攻撃力【9】→攻撃力【10】

防御力【9】→防御力【10】

スピード【14】→スピード【15】

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「お、レベルアップという画面が出てきた。これでまた俺は強くなったのか?」


 戦闘を重ねると経験値をいうものがもらえる。それが一定数たまると次のレベルに上がり、ステータスアップの恩恵を受けられるのだ。


 これである程度俺の攻撃はスキルに頼らなくとも敵に通じるようになった。


 そして、スピード、足の速さも当然ながら上がっていたので森の探索の後半は来た時の倍以上の速さで走り、やがてーー


「もしかして森の出口か!?やっと、やっとここからおさらばか......」


 前方には樹木が途切れ、この森の出口を告げていた。ようやくこんな物騒なところから出られる。彼はそう思ったらしい。





森を抜けた先に待っていたのは一望千里というような平らな野原が広がっていた。圧巻の光景であった。そしてはっきりと見える地平線。どこまでも続くかのようなこの平原。


しばらくして見えたのは小規模の村だった。


次回は2019年10月3日の11時と7時です。今回話が短かった分追加します!


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