9/13
青く広がる海岸沿い揺蕩う
青が途切れた空の果て
遠く離れた水平線
片方だけのビーチサンダル
転がるままの砂浜で
太陽がくゆめく凪ぎの刻
過ちの影に蟹が逃げる
鼻を掠めた乾いた塩が
語る物語が揺らめく
たった一度だけ許してくれるなら
もう一度だけ許されない事を
波打ち際の貝殻と
沖に浮かぶ白い物と
誰かが忘れていた情熱と
あの輝き誇る白い雲は
何処かに向かって消えていく
割りと遠くの防砂林
割りと近くの防波堤
割りと近くの友達と
割りと遠くの恋人よ
知ったかぶりの風が優しく揺れ
思わせぶりな恋を見せ付けて
陽炎の様に揺らめいて
波の端っこをただ歩き
たった一度だけ許してくれるなら
もう一度だけ許されない事を