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お姫様と怪獣。とりあえず走れ
澄んだ湖面に写る現実は残酷で
僕は世界をあきらめた
この世界は美し過ぎて
僕に居場所は無いや
白馬にも乗れない大きさで
愛も囁けない叫び声で
森の中で街を見下ろして
お城の窓佇む君を見て
一人、想う
ああ、怪獣だって心が有って
君を笑顔にしてみたいんだよ
山を飛び越えて谷を転がり
砂漠は砂煙を上げて走れ
白馬に何か乗れないけど
そんな僕でも走れるんだぜ
鎧も着れない武器も持てない
長い爪と厚い皮膚で君を守れる
君を迎えに行って
抱き締めるには
この長い爪が傷付ける
君を迎えに行けないけれど
それでも僕に心が有り
君を森から眺めていた
走れ怪獣とりあえず
笑わせる事は出来るだろ
走れ怪獣とりあえず
守る事は出来るだろ
走るしか無いだろう
出来ない事も有るけれど
出来る事だって有るんだよ