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花束を手向けた前にぬけた青空として
花束を手向けた前にぬけた青空として
もう笑顔で良いだろうと口笛一つ
どんなに大切な物だろうと何れ忘れてしまうんだ
悲しくとも喜ばしくてどう伝えても儚くて
どんなに儚くとも鮮明にどう語っても可笑しくて
赤い花の花束に黄色い花を付け足して
黄色の混ざった花束に白い花を散りばめて
伸ばした手の先に何が有ったかどうでもよくて
ただ伸ばした感覚だけが生きた名残に煌めいた
花束を手向けた前にぬけた青空として
もう涙は要らないだろうと口笛二つ
どんなに大切な事だろうと何れ忘れてしまうんだ
切なくとも清々しくてどう呟いても嘘臭く
嘘臭くても懸命に歩きどう綴っても滑稽で
赤白黄色の花束に青い花を飾り付け
艶やかになった花束に薄い桃色包装紙
花束を手向けた前にぬけた青空として
忘れた全てそこに在るかの様な
光が射し込んだ