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君の歌った歌の名前を忘れたけれど
ツン裂く様な空気が鼻っ頭を掠めては
冬が来たよと匂いが告げる
こんな冬に似合うような
見失った花弁に似合うような
そんな君の歌を思い出してはみるものの
名前なんてとっくに忘れて笑い話
あの様なイントロダクションで
歌い出しはこんな感じでなんて
そんな言葉を投げ掛ける君何処
それでもあの歌は美しかった
それでもあの歌は素晴らしかった
それでも僕は
そんな君の歌を口遊みながら
冬は何をやっているんだい?とドアを開け
皮を切る様な風が通り抜け
あの歌の想いだけが色濃く残り
君の歌った歌の名前を忘れたけれど
それはれで良かったのだと
それはれで良かったのだと