02:話し相手が見つかりました
ようやく主人公の名前が出せる…。
目を覚ますと、私は暗い部屋の中に居た。
…とりあえずやっときますか。
「はい!!!知らない天井っっ!!!!!!」
さて、お約束もやりましたところで、今の状況を確認しましょうか。
この部屋は十畳位で出入口無い感じ。
そして、部屋のど真ん中に球体が浮いてる。
いかにも、これでござい!って感じが。
でもよく分からないし、ひとまずコアでいいや。
見た目はきれいな薄紫色で、なんて言ったっけ?藤色?って言う色だっけ。そんな感じの色で、ぼんやり光ってるね。
よく見る小説だと、触ったり、話しかけたりするとコアを使える事が多かったように思う。
…よし、触ろう。
え?何で話しかけずに触るのかって?
そりゃあ、話しかけてなんにも起こらなかったら恥ずかしいからですよ。中二病でもあるまいし。
まあ、そういう訳でコアに触ります。
「えいっ」
ペタッ
コアの放つ淡い光が少し強くなり、何かと自分が繋がった感じがした。
ん?なんか私の手、ちょっとゴツくなってる?
まあ、あとでいいか。
《魔力認証、完了》
頭の中に声が響いてくる。
ちょっと待て、青年声…だと…?
しかもイケボだと…?小説でよくある、女性みたいな声想像してたからビックリした。しかも好みの声とか、最高かよ!
あー、不意のイケボは心臓に悪いな!ごっつぁんです!!
…よし、これからコアの声は耳ダ◯ボにして聞こう。あ、ほんとにダン◯みたいに耳がでっかくなったりはしないからね?
《指定ダンジョンマスターを確認しました》
《マスターとダンジョンコアの接続完了》
《ダンジョンコア、起動》
はしゃいでるうちにコアが起動したみたいです…。これから気を付けよう。
《各項目を表示します》
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【ダンジョン】
〈迷宮名:なし〉
〈タイプ:洞窟〉
〈階層:全一層〉
〈モンスター:0体〉
〈所持DP:1000pt〉
〈未開放─開放まで後6ヵ月〉
【コア】
〈タイプ:アーコロジー型〉
〈蓄積魔力量:1000〉
〈同調率:13%〉
〈???:???〉
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コアにシステムウィンドウの様な物が浮かび上がる。
ほうほう、私のダンジョンは洞窟型と。どうりで足の裏がざらざらする訳だよ…。
階層が一層しか無いのは、まだダンジョンが出来てないから?モンスターが居ないのもそういう事なのかな。DPは…まあお約束通りか。
次はコアか。
蓄積魔力はコア、というかダンジョンに溜まってる魔力の事かな。
あとは…うーん、コアのタイプ?って言うのと同調率がよく分からないなあ。アーコロジーって、生産と消費が完結してる都市だっけか?それ的なコアってなんぞや…?
《アーコロジー型コアは、ダンジョンの長期的な維持管理を得意とするタイプのコアです。
侵攻型コア、防衛型コアに比較するとモンスターの性能などが多少落ちますが、環境操作等に長けるため自由度はかなり高いです》
「うぇっ?!?!」
《マスターが質問されたのでお答えしました》
「あー…ビックリしたぁぁぁ…会話出来るんだ、ダンジョンコアって」
《他の個体は分かりませんが、可能です。コアは、マスターの性質に合わせて生成されますから》
「そっか、じゃあ質問!同調率ってなーに?」
《同調率とは──コアとマスターの──云々かんぬん──》
うん、ちょっと長かったので割愛ね。さらっと言うと、マスターとコアのなじみ具合なんだと。つまり、これからダンジョン経営をしてくと上がり、上がると色々使い勝手が良くなる…と。
あと、ダンジョンは半年後に開放となる。だから、それまでに私はダンジョンを作って行かなければならない。
まだ、私のダンジョンは開放されてないから、今のところは危険は無い。期限までに少しずつ作って行けばいい。
まずは自分を含めて、持ってる物から確認だね。さて……。
「ステータス!」
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【ステータス】
〈name:ハクロ〉
〈種族:リトルホワイトドラゴン〉
Lv:1/20
HP:100/100
MP:200/200
状態:通常
STR:8
VIT:10
MIN:12
INT:20
AGI:7
MAG:25
〈スキル〉
魔力操作 Lv1
念話
暗視
〈ユニークスキル〉
迷宮魔法 Lv1
竜魔法 Lv1
〈称号〉
転生者、迷宮主、魔王
軍神の寵愛
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名前はハクロ、と。
これは私が生前、オンラインゲームで使ってた名前だ。本名が【白崎 真央】って名前だったから、白をもじってハクロ。気に入ってた名前だから嬉しいね。神様に感謝です。
ん?まて、種族?ドラゴン?
「討伐されるうううううう!!!!!」
拝啓、お父さん&お母さん…。
あなた達の娘は種族的にも人間を辞めてました。
まだ、お家を作れそうにありませんね!
でも、主人公の名前が出せたから勘弁!!
7/7─ステータスにMPとMAGとLvを乗せ忘れてましたので追記しました。