源蔵 × 勇者
11月何か投稿したと思い込んでいたので思わず、間違えて削除したんじゃないか、って焦って探しちゃいました…ごめんなさい
ちゃんと続きなので安心して読んでくれれば幸いです。はぁ…年内で終わらなかったか…
※前回まで簡単なあらすじ
誘拐されたイブを取り戻せた帝里はとうとう源蔵を追い詰め、港で決着をつけることとなる。
そこに集まった視聴者はイブが引きつけ、やっと対峙した帝里と源蔵との直接対決が始まる…
コンテナの間を通り抜ける風が帝里と源蔵の頬を煽り立て、二人の緊張感がさらに高まる。
「…………」
しかし、二人は一向に攻撃を仕掛ける様子がなく、なんとお互いを牽制しながら、一歩ずつ、にらみ合う形で移動を始めたのである。
いくらイブが視聴者達の気を引いてくれているとはいえ、後ろで戦い始めたら、さすがに視聴者が気づかないはずがない。
そうなったとき、不都合が生じるのは帝里だけではない。魔法が見られたくないのは源蔵も同じである。
そういった訳で、お互いに利害が一致した帝里と源蔵は、何事もなく、さっさと視聴者から見えない、他のコンテナの裏まで移動することが出来た。
「よし、ここまで来れば大丈夫だろ。“ブレーヴ・オクスタル”!!!」
イブの魔法が解けて、魔力が全快した帝里が呪文を唱えると、剣先に八色のクリスタルが出現し、帝里の近くをまわり始める。
「ほぉ…それは各属性魔法を作り出す根源ですか…これは興味深い魔法ですね」
「へへ、それはどうも。お前だって闇墜ちしてないとはなかなかやるな」
帝里の言葉に源蔵は驚いたように一瞬、体を強張らせると頭を軽く振る。
「そんなことまで…火力姫が見込んだのも伊達じゃないということですか」
源蔵は感心したようにフゥーとため息をつく。
帝里の言う‘闇堕ち’とは、魔属性を使うのに伴う危険の1つであり、魔に体を蝕まれ、人間でいられなくなることである。
闇属性の強化属性とされる魔属性は他の属性と違う性質からか、魔属性魔法を使うと、他の属性の根源マナが闇属性に浸食されてしまうのだ。
そして、体の根源マナが全て闇属性に染まってしまうと、人格がすっかり変わり、凶悪な思考に至りやすくなる。こういった人々を魔人と呼び、そして最悪の場合、その人の元々の魔力が低いと姿まで変わってしまい、魔獣に墜ちてしまうのである。
なので、実は帝里もクリスタルを全て闇属性に変えることが出来ない。体全ての根源マナが魔属性になり、帝里も闇墜ちしてしまうからだ。闇墜ち主人公、というのもなんとも魅力的な響きだが、人でなくなるのはさすがに嫌だ。
また、魔力の高い者ほど、闇墜ちしにくく、本来の人格や人間に近い姿を保てるらしく、人間の姿で闇属性を使える者は強敵ということが視覚的に判断できるのである。
「まさか魔属性を理解している者と過去で会えるとは…
補足すると、魔力増幅装置はあなたのその水晶、属性魔力の根源を増幅しているので、‘闇墜ち’という現象が起きにくいのですよ。まぁ、ここまでしないといけないのですが」
そう言って源蔵が胸を開けると、大きな機械が源蔵の右胸に深々と埋め込まれているのが見える。おそらくは源蔵が自分用に作った魔力増幅装置であり、前のように増幅装置を外して、魔力低下を狙う、という方法は不可能そうだ。
「それはそれでお前が十分人間かどうか怪しいが…まぁ強いってことは変わらねぇ!本気で行かせてもらうぜ!!!」
いきなり帝里は前に踏み出すと、源蔵目がけて剣を振り下ろす。
あまりの突然の攻撃に、初動が遅れた源蔵は反応できず、帝里の剣は源蔵の体を見事に捕らえ、源蔵の腹部を斬り払う。
あっけなく勝敗が着いたように見えたのだが、斬られた源蔵の姿がゆらりと揺れたかと思うと霧のように消えてなくなる。
「……めんどくさい魔法もってんな…」
後ろから不気味な気配を感じ、帝里は嫌そうな顔で振り返ると、源蔵が何人にも増えている。ざっと15人くらいは居るだろうか。
「しかもめっちゃいるし…本体どれだよ」
「分からないでしょう?ただの虚仮威しだった闇属性魔法も魔属性になると変わってくるのですよ」
誇らしそうに全ての源蔵がニヤリと笑い、その異様な光景に薄気味悪さを感じる。
源蔵が使ったのは自分の幻影を作るという、帝里も知っているかなり初歩的な闇属性魔法なのだが、魔属性に強化されたせいで、かなり厄介なことになっている。
というのも、その魔法の欠点として、幻影にはほぼ魔力がないので、魔力を感じられる相手には簡単に見破られてしまうというのがあるのだが、魔属性に強化されたことにより、その分の魔力が幻影に宿り、本体がどれか分からなくなっている。
さらに、丁寧にも源蔵は本体と全ての幻影に均等に魔力を配分しているようで、魔力の量で判断することも出来ず、見た目も全く同じなので、もう本体を探し出すのは不可能に近い。
そしてもう一つ、何より厄介なのは、幻影が魔力を得たことで幻影自体に力が備わり、幻影も十分な攻撃が可能になったのである。つまり、本当に源蔵が増えたようなものだ。
「いくらあなたが強くても数で押してしまえば、いい話!
さっさとけりをつけさせて頂きますよ」
源蔵の一人のかけ声で全ての源蔵が帝里に目がけて、一斉に襲いかかる。
本体ほど幻影の戦闘能力はないようで、帝里も必死にクリスタルを駆使し、増えた源蔵達の攻撃を何とか全てかわすが、どれが本物か分からないので、全く反撃が出来ず、防戦一方となってしまう。
ならば、と片っ端から斬りつけていくが、斬って幻影を消しても、その度にまた新たな幻影が作られ、帝里の体力を消耗するだけである。
「あぁもう!“ブレーヴ・オクスタル・エイノス”!!」
帝里が飛び上がると、8つ全てのクリスタルが帝里の手元に集まり白一色に輝き、幾多の光線が地面に向かって降り注ぐ。
下に居た源蔵10体ほどに直撃するが、全て外れだったようで、一体も残らず消えてしまい、すぐに源蔵に幻影を補充され、帝里の攻撃が徒労に終わる。
「ハァハァ…ゲームだったら実況殺しのつまんねえ魔法使いやがって…!正々堂々戦えよ!!」
「失礼な。こちらはさすがにあなたレベルの有名人物を殺すと、未来が大きく変わりそうなので、殺さないように手加減しないといけないんですからね?」
「舐めプされてる!?確かに全員で魔法の一斉攻撃とかされたらヤバかったけど……-?」
悔しそうに呟いた瞬間、はたと何かに気づいたようで、帝里の動きが止まる。
帝里はその考えを確かめるため、後ろに下がって源蔵から距離を取り、全ての源蔵をジッと観察すると、想像通りの答えが得られたようで、急に嬉しそうにニタつく。
「ははん…なるほどな!!しないんじゃなくて、出来なかっただけだろ?
さーて、反撃タイムだ!そのご自慢の魔法、破ってやるよ!!」
自信満々に帝里は剣をクルクルと手の中で回しながら間合いを計ると、次は帝里から源蔵に向かって攻撃を仕掛ける。
当然、源蔵も本体を潜ませた幻影の群れで一斉に迎え撃つが、帝里は攻撃を受け流すだけで、後は相手にせず無視して、どんどん突き進む。
そして、一人の源蔵の前まで辿り着くと、剣を振りかぶり、何の迷いも見せずに、真っ直ぐその源蔵に振り下ろす。
ガキッと鈍い金属音が響き、帝里の剣は源蔵の服の下に隠されていた腕の装甲に受け止められる。が、明らかにさっきまでと反応が違う。
「へへ、本物みっけ」
「くっ…なぜッ…!?」
帝里の剣を振り払った源蔵が後ろに下がり、慌てて幻影の中に紛れるが、帝里はまた一人の源蔵に狙いを定めると、真っ直ぐ駆け寄っていく。
もう帝里がどれが本体の源蔵か分かってしまっているようなので、源蔵もあからさまに一人の源蔵を守るように幻影が立ちはだかるが、それに対して帝里はお構いなしに繰り出される幻影を最小限の攻撃で突破していく。
こうして本体の源蔵を再び目の前に捉えた帝里は、集中的に本体に攻撃を重ねていく。
そして幾多の攻防の末、とうとう帝里の蹴りが源蔵の腹部に入り、蹴飛ばされた源蔵がコンテナに叩きつけられる。
「ゲホッ!…うっ…どうやら完全に見破られてますね…」
「あぁ、お前には‘これ’があるからな」
帝里が胸を張って答えながら掲げた手の上では8色のクリスタルが飛び回る。
源蔵の幻影と本体の判別方法、それは根源マナがあるかどうかであったのである。
いくら魔力を同じように調整することが出来たとしても、生命の象徴であり、属性魔力を作り出せるものでもある特別な根源マナを分配し体外に存在させることは、帝里が難なく行っているが、本来ほぼ不可能なのだ。
これが出来るのは帝里だけであると言っても過言ではなく、またそのおかげで帝里にとって根源マナの有無を見抜くことなどたやすいことなのである。
それに第一、源蔵が根源マナを体外に放出することが出来るなら帝里のクリスタルを見ても驚かなかったはずだ。
ということで、源蔵が根源マナを放出させることは出来ず、多く居る源蔵のうち、根源マナがあるのが本体であると分かるのだ。
さらに、幻影に根源マナが込められないということは、幻影は属性魔法を作れないということであり、魔法で攻撃することが出来ない。なので、幻影はもともと物理攻撃しか出来なかったのである。
「なるほど…この魔法はあなたには相性が最悪だったということですね…
生命だからこそ存在する魔力の根源……フフ、なるほど、そうですか」
なにか良からぬことが思いついたのか、源蔵は歪んだ笑みを浮かべると、幻影を引き寄せて、また中に紛れる。よく見ると、さっきより数が多い。
「はぁ、だから俺には無駄だって」
懲りない源蔵に半ば呆れながら、帝里は目を凝らし、根源マナがある本体を探す。
そして根源マナを持った本体を見つけると、帝里は何の迷いもなく本体を目指して駆け出す。
相変わらず、幻影が帝里の行く手を阻むが、魔法の使えない相手などに手こずるはずもなく、クリスタルを使いながら、次々となぎ倒していく。
こうして本体を追い詰めた帝里は本体に攻撃するが、幻影を出し過ぎて操作に手間取っているせいか、源蔵の動きがさっきまでよりも少し鈍い。
なので、さっきより早く一瞬の隙を突いて、源蔵の背後を取ると、剣を大きく振りかぶり、とどめを刺そうと振り下ろしたとき、帝里にかすかな疑問がよぎる。
あっけなすぎる。
自滅としか思えない行動と幻影に紛れる前に見せた、あの嫌な笑みが帝里の頭にこびりついて離れず、なぜか斬ってはいけない気がして、思わず剣の勢いが空中で止まる。
大勢の敵が居る真ん中で、急に動きが止まってしまった帝里にここぞとばかりに、幻影が一斉に襲いかかる。これには帝里も攻撃を一旦中止せざるを得なくなり、大きく跳躍して幻影の中から脱出し、そのまま近くのコンテナの上に飛び乗る。
そして、釈然としない心持ちの帝里は上から源蔵の様子を観察して、ある事に気づく。
……根源マナを持つ源蔵が二体いる。
源蔵が根源マナを分けられるはずがない。となると、残された可能性は…
「……ッ!お前、まさか…」
「寸前で剣を止めるとは本当に勘が良いですね」
引きつった表情の帝里を見上げる源蔵の中で、先ほど狙っていた源蔵の形が揺らぐと、外を覆っていた魔法が、まるで灰が風に飛ばされるように消え、中からよく知っている姿が現われる。
「剛堂さんを囮にッ…!もし攻撃が当たってたらどうするんだよ!!」
「それはそれで、あなたがおてまショックを受けて、あなたを簡単に倒せるだけのことです」
「お前は悪魔か!!?未来が変わってしまうぞ!?」
「たかが一人消えたところでそこまで変わらないでしょう。
それによく考えれば、あなたが死んだ事故の時、あなたは独身だったので、この女があなたの運命の方ではなさそうですし」
「余計なネタバレするんじゃねえよ!!
まじで魔属性魔法を使いすぎて、頭まで魔に蝕まれてるんじゃないか!?」
「フフフ、案外そうかも知れませんね」
あれほど未来が変わるのを嫌っていたのに、今では不気味に笑って済ませる源蔵に、闇堕ち、と思わず帝里は背筋が寒くなる。帝里との戦闘による魔属性の連続使用のせいか、もう源蔵の言動は尋常ではない。
「でも、これでまた私が有利になりましたね。さぁ終わりにしましょうか」
剛堂さんの姿が源蔵の姿に魔法で変わると、幻影と共に帝里に襲いかかってくる。
無論、剛堂さんを間違って斬るなんてことは絶対にあってはならない。そのことで頭の中が一杯になり、帝里の行動が鈍くなる。
確かに幻影と本体の区別は簡単につく。だが、問題はその本体が源蔵なのか、剛堂さんなのかが分からないのだ。
頑張って根源マナの多寡で二人を判断しようとは試みるのだが、そもそも帝里が根源マナの量を量ることに慣れていないこともあって、二人の根源マナの量はほとんど変わらないように感じる。
「ッ!?やばっ」
それでも何か手がかりがないかと探していたところに、幻影への注意が疎かになってしまい、その隙を突いた幻影の1体から帝里は背後から蹴飛ばされ、その場に倒れ込む。
このチャンスを見逃さず、周りにいた幻影達が一斉に攻撃を仕掛け、受け止めきれないと感じた帝里はとっさに体を丸めて、防御の姿勢を取る。
「おりゃあぁぁぁぁあ!!やめろぉぉ!!!!」
近づく拳に帝里が身を硬くした瞬間、真っ白な光線が帝里の頭上を通り抜け、周りにいた幻影を貫き、消し飛ばす。
そしてその光線はまるで鞭のようにしなりながら、雑草を薙ぎ払うかのごとく、幻影を真っ二つに切り裂く。
「――玲奈!?」
その光線に助けられた帝里が身を起こすと、両手に二丁の銃を構えた玲奈がこちらに駆け寄ってきている。
「うげっ…同じ顔ばっかり…キモいわよ!!」
玲奈はそう叫びながら構えた銃からは先ほどの光線が放たれ、次々と源蔵の分身を倒しいく。そして、幻影を全て倒すと、根源マナのある本体も牽制しながら、帝里のもとに辿り着く。
「大丈夫、帝里!!?なに手こずっているのよ!!」
「おい!あの中には剛堂さんがいるんだよ!!当たったらどうするんだ!?」
「そんなの分かってるわよ!だから情音には攻撃が当たらないように避けているでしょーが!」
「…え?」
「え?」
一瞬、二人ともキョトンとした顔つきでお互いの顔を見つめあったかと思うと、全てを察した玲奈がニヤリと笑う。
「え、何、もしかして情音がどっちか分からないの!!?…プッ、あっははははは!!
やーい、プークスクス、あんた、あんだけ剛堂さん、剛堂さんって言ってるくせに、あんなおっさんと区別がつかないの!!!!」
「…っ!!う、うるさいな!!なんでお前は分かるんだよ!!?方法を教えろ!」
「んー、帝里の気を引くために私の真似しか出来ない、生意気そうな雰囲気な方が情音?」
「それじゃ一生俺には分からねぇよ!!!てか、お前も源蔵の話、聞いていたのかよ…」
「んー、まぁ鉄砲耳ってやつ?」
「いや意味分かんねえよ」
玲奈の意味不明な解答に帝里はため息をつく。どうやら京介の車で追いかけていた玲奈達もさっき到着したようで、玲奈が応援に駆けつけてくれたようだ。
「しっかし、あいつの歌はすごいわねー…最初、京介と双治郎の男陣がボーっとしちゃって困ったわよ」
感心したように玲奈がイブの歌っている方向を見て呟く。どうやらイブはまだ頑張って視聴者達を引きつけてくれているようだ。
「さーて、私も来たし、さっさと片付けるわよ!!この前の魔導石を小さくして詰め込んだ私特製の双銃、“ライトニングバレッツ”の試し撃ちの的にしてやるわ!!」
「待て待て!!派手な魔法はダメなんだって!」
意気揚々と銃を構える玲奈を慌てて止めると、片眉をあげ唇を尖らせる玲奈に渋々事情を説明する。
「むむむ…確かに今はどこで撮られてるか分からないご時世だから仕方がないけど…じゃあ私することがないじゃない!」
「なら俺が戦っている間、どっちが源蔵か通信機で教えてくれ。これで俺も攻撃することが出来る!」
「それも結局無駄よ。どうせ情音を盾に使ってくるし、口頭じゃ間に合わないわよ。
それなら情音にかかってる魔法を解きなさいよ、源蔵一人ならあんたも楽勝でしょ?」
「え、解くことが出来るか!!?どうやって!?」
「ふふん、それはね、源蔵と情音の距離を離せば良いのよ」
「距離を…?」
「そう、距離。…って言っても、さっき皆で考えた推測なんだけどね」
玲奈達の見解では、源蔵が誰かを操るのには有効範囲があるというのだ。なので、その範囲から出てしまえば源蔵の魔法は届かず、剛堂さんにかけられていた魔法も解けるという。
その証拠が、双治郎がかけられた魔法の解けた原因だ。
あのとき、帝里は双治郎の攻撃を止めようと蹴飛ばしただけで、別に魔法を解除したわけではなかったにも関わらず、双治郎は正気を取り戻した。
これも、双治郎が源蔵にかけられた魔法が解けたのは、帝里に吹き飛ばされた衝撃ではなく、源蔵が有効範囲外まで逃げたからだと考えれば、確かに辻褄が合う。
「なるほど…そういう範囲のある魔法も聞いたことがあるし、多分それで合ってる!
よし、じゃあ二人の距離を離すぞ!!俺が源蔵を引きつけるから、玲奈はその間に剛堂さんを連れて源蔵から離れてくれ!!」
「いやバカか!?そんなの源蔵だって分かってるから離されないように動くに決まってるじゃない!」
「うぅ、確かに…あぁもう!どうすりゃ良いんだ…」
「そ、こ、で、よ!」
せっかく突破口が見えたのに、再び行き詰まってしまい頭を抱える帝里を玲奈がとても楽しそうな顔で覗き込む。
「私、良いこと思いついちゃったんだけど、聞きたくない??」
「却下」
「なんでよ!!?話ぐらい聞いてよ!!」
「お前が考えることなんてロクなことがない」
「失礼な…!確かにちょっと危ないけど…ちゃんと羅瑠も賛成してくれたわよ!!」
「正常判断枠の京介と双ちゃんが賛同してないじゃなーか!!しかも危険なのは絶対剛堂さんだろ!?ダメだダメだ!!
…ったく、お前が来る前まで割とちゃんとした戦闘だったのに、お前のせいで一気にコミカルになっちまったじゃねぇか!!」
「いいじゃない、どうせならおもしろおかしく倒してこそ我々、実況者ってもんでしょ?それにこのままだとあいつを倒せないし!
さぁ、どうするの??私の案に乗るの?乗らないの?実況者様♪」
「うぐぐぐぐ…」
そう尋ねる玲奈は屈託のない満面の笑顔を、苦々しい表情の帝里に向かって浮かべるのであった。




